初めての保育園・幼稚園、子どもとの接し方

初めての保育園、幼稚園

多くの子どもは、3、4歳になると、幼稚園や保育園に通い始めます。近年は、共働き家庭が増えていますので、乳児期から保育園に入る子どもも多いですね。

保育園や幼稚園は、子どもたちにとって、家庭とは異なる、「社会」生活を送る場です。親の居ないところ、いわば「外の世界」で子どもたちはどのような経験をしていくのでしょうか。

競争と協調

子どもたちは、保育園・幼稚園での生活や、近所の同年代の子どもと一緒に遊ぶことを通して、集団生活を送る上でのルールや約束を覚えていきます。

この時、子どもたちはさまざまな経験をします。大人から見れば大したことがないように見える出来事でも、子どもにとってみれば、とても大変な出来事であることは多々あります。

そのひとつに、「競争」と「協調」が挙げられます。

「競争」は、保育園や幼稚園の運動会や、習い事などで経験することが多いでしょう。最近では運動会でも順位をつけない幼稚園や保育園もありますが、普段の園生活の中で、誰がスポーツが得意か、絵が上手いか等は、年齢が低くても、自然に意識されていきますので、集団生活を送る以上、「競争」というものは避けて通れないことでしょう。

一方の「協調」は、「競争」に比べて大変そうに見えないかもしれません。でも、おもちゃの順番をめぐって相手を優先したり、ケンカの相手を許したり、自分はしたくない遊びに付き合ったりということを経験します。このような経験によって、子どもたちは「協調」の大切さを学んでいきます。

「競争」を経験した子どもにどう接するか

競争は、勝てれば達成感や喜びにつながり、負ければ悔しい、悲しいという気持ちを抱きます。どちらの感情も成長していくうえで必要な経験です。子どもの心の成長を考えたとき、親など周囲の大人としてはどの様に接すれば良いのでしょうか?

順位に意味を付けるのは大人の価値観

もし子どもが競争に勝った場合。その子の頑張りを称え、褒めますよね。ここで大切なのは、結果だけを褒めるのではなく、子どもの努力や工夫について褒めることです。子どもは自分の頑張りが認められたことが嬉しくて、他のことにも挑戦できる自信をつけることができるでしょう。

では、子どもが競争に負けてしまった場合はどうでしょうか?「なんでもっと上手くやれなかったの!」などと責められたら、ますます傷ついてしまうでしょう。また「お前はダメだ」「できない」「へたくそだ」というレッテルを貼るような表現や、子どもの負けをからかうような態度も避けたいものです。大人にとっては冗談であったとしても、子どもは深く傷つきますし、子どものセルフイメージがネガティブなものになることは想像に難くないでしょう。

結局のところ、順位でいい悪いを決めているのは大人の価値観でしかありません。競争で勝つことは素晴らしいことですが、勝つことだけが目的ではないはずです。本来の目的は、子どもの心の成長ですよね。大人はそれを見失わないよう意識しましょう。

「競争」は成長のチャンス

勝つ嬉しさや達成感も、負ける悔しさも、子どもにとっては心の成長に必要な過程です。大人の声掛け次第では、その成長をぐっと進める大チャンスと言えます。

例えば、「残念だったけど、よく頑張ったね」「頑張っている姿が格好良かったよ」など、競争の勝敗に関わらず、本人が頑張った点を褒めてみて下さい。あるいは、「最後まであきらめずに頑張って、すごいね」「先生のお話をとてもよく聞いて、えらかったね」など、親自身が感動したポイントを伝えるだけでもいいでしょう。

大切なことは、「お母さんやお父さんは、自分のことを無条件に愛してくれている」と実感できるように接することです。子どもにとって、温かく寄り添ってもらった、やさしい言葉をかけられた、という体験が次の挑戦に繋がり、それが大人になっても影響を及ぼすのです。

さて、このように「競争」を経験して傷ついたり、「協調」を経験して我慢したりしながらも、精一杯乗り越えて、子どもたちは親の元に戻ってきます。そんな時、親としてどう待ち受ければ良いのでしょう。

>>帰ってきた子どもに、どう接する?