誰でも無意識にやっている!?ラべリングって?

ラベリング 初対面の人

皆さんが、初対面の人と会う場面になった時、相手に対しておそらく何らかの印象を抱くと思います。例えば、「優しそう」「厳しそう」「真面目そう」など…。

このように初対面の人と会った時、人は無意識に相手にレッテルをはっています。心理学では、このことをラべリングと言います。

今回は、このラべリングについて詳しくご紹介していきます。

第一印象はやっぱり大切?

最初にラべリングをして、イメージを定着させると、人ははじめに定着させたイメージを、その人の全体イメージとして捉えます。これを初頭効果と言います。つまり、第一印象は好き嫌いに大きな影響を与えるということです。

例えば、就職の面接や仕事の営業で初対面の人と会う時に、だらしない格好で会おうとする人は少ないと思います。第一印象を良くするために身だしなみを整えて、会おうとしますよね。これは理にかなった行動だと言えます。

心理学者であるソロモン・アッシュは、他者の印象がどのように形成されるかを研究しました。その中で、初頭効果についても、以下のような実験を行っています。

1.架空の人物の特徴について、「知的・勤勉・衝動的・批判力がある・強情・嫉妬深い」と読みあげる

2.今度は、この特徴を逆から読みあげる(嫉妬深い・強情…)

1と2それぞれに被験者を分け、どう印象が変わるのかを調べたところ、1の被験者は、「欠点は多少あるけれど、能力には恵まれている」という印象を持ったのに対し、2の被験者は、「能力はありそうだけれど、欠点が目立つせいで、本来の能力が発揮できていなさそう」という印象を持ったそうです。この実験結果から、いかに、第一印象が大切なのかが分かりますね。

初頭効果は、恋愛や仕事など様々な場面で活用できます。

会社であれば、人間関係が定着してしまう前の初期の段階(就職や転職をして間もないうち)に、あなたがどのような人間だと捉えられたいかによって言動を変えていけば、周りの人たちの印象もあなたが思うように変わってくるはずです。まずは、社内で自分がどのような役割を演じたいのかをイメージして、それに合わせて自分をアピールしていくと良いでしょう。

ラべリングにはこんな力も…

また、ラべリングには、ラべリングされた本人を他人が貼ったレッテルと同じように変えてしまう効果もあります。この心理効果のことをラべリング効果と言います。

例えば、ある人に対して、周りが「不真面目だ」とレッテルづけすることによって、実際は真面目であっても、その人は自分のことを「不真面目だ」と思うようになり、最終的には本当に不真面目な行動を取るようになります。

社会学者のハワード・ベッカーが、「逸脱行動は、それを行った人の性格によるものではなく、周囲からのラベリングによって生み出される」という「ラベリング理論」を提唱し、そこからラべリング効果という言葉が生まれたようです。

ラべリング効果が実証されたミラーの実験

心理学者ミラーは、ラベリング効果を調べるため、実験を行いました。小学校のあるクラスで、「みんなは、とてもきれい好きだよね」と、先生に繰り返し褒めるように指示したのです。別のクラスでは、このラベルづけは行いませんでした。

すると、「きれい好き」と生徒を褒めるようにしていたクラスでは、約82%の生徒が、落ちているゴミを自分から拾うようになりました。一方で、ラベルづけをしていないクラスでは、約27%の生徒しか、自分からごみを拾わなかったそうです。

ラべリング理論には、自己成就的予言も深く作用しています。自己成就的予言とは、ある出来ごとが起こると信じて行動することで、本来起こりえるはずのなかった状況になることを言います。

不用意にラべリングするのは危険!

皆さんは、会社や家庭で、無意識にマイナスのラべリングをしてはいませんか?例えば、会社だったら、やらなくてはならない作業をし忘れた人に対して「仕事が出来ない人」と決めつけたり、子どものテストの点数が悪かった時には、「ウチの子は出来が悪い」と思い込んだり…。

相手の良くない面だけを見て、その人をダメな人だと決めつけてしまうのは危険です。周りがマイナス評価を下すことによって、本人が自信をなくしてしまい、それまで出来ていたことさえも出来なくなるという事態に陥る可能性があるからです。

マイナス面だけを見てラベリングするのではなく、プラス面もしっかり見て、相手のよい部分を認められるようになれると良いですね。

ラベリング効果を日常で活用してみよう!

ラべリング効果も初頭効果同様、仕事や恋愛などの様々なシーンで活用することができます。

ここでは、恋愛場面での活用例についてお伝えします。例えば、長く連れ添った夫婦や付き合いの長いカップルなど、最近相手からの優しさが足りないな、反応が冷たいなと思った時には、会話の流れで「優しいよね」と言ったり、何かちょっとしたことでも相手がしてくれた場合は、「ありがとう、優しいね」と言うようにしてみてください。次第に相手が優しくなるかもしれません。

ただ、会えばケンカばかり、また、どちらか一方の気持ちが離れているという場合は、ラべリング効果は発揮されづらいようです。取り返しのつかない状態になる前に、ぜひラべリング効果を活用してみてくださいね。