相手の気持ちを惹きつける会話術!「近接度」を意識して、距離を縮めよう

あなたは会話や話し方に自信がある方ですか?

自分の話を相手が聞いてくれないことが多いという場合、もしかしたらあなたの話し方に原因があるのかもしれません。

では、どうすれば、相手の気持ちを惹きつけるような会話ができるのでしょうか?

会話で相手を惹きつけるには?

会話で相手を惹きつけるには、説得力を持たせることが大切です。会話に説得力があれば、相手はあなたの話に聞き入りやすくなります。

それでは、会話に説得力を持たせるには何が必要なのでしょうか?

【自信】

1番大切なのが、この自信です。自信がある人の話し方の特徴として、

  • 声が大きい
  • ハキハキと聞きとりやすい声で話す
  • 「えーと」「あの」などのつなぎ言葉を使わない

などが挙げられます。

また、自分に対して自信がある人は、確信を持って話すことが多いです。それに伴い、話し方も熱心で力強くなります。そのため、聞いている側も、真剣に話を聞こうという気になります。

逆に自信のない人の場合、声が小さく、ごにょごにょと言ってしまいがちです。これでは、相手も聞く気持ちが薄れてしまいます。

【話すスピード】

話すスピードにもコツがあります。目安は、400字詰め原稿用紙1枚を1分で読むくらいのスピードです。実際に計って、話してみると大体の速度が分かるのではないかと思います。

あまりにもゆっくり話すと、相手をイライラさせる可能性がありますが、早口で話されると、聞いている方は落ち着かず、あまり良い印象を持たない上に、話の内容も頭に残りにくいものです。早口にならないように、特に気をつけましょう。

【話す順序】

最後は話す順序です。話す順序は大きく分けると、

  • 肝心な部分を最初に話す(アンチクライマックス法)
  • 肝心な部分を最後に話す(クライマックス法)

の2つです。

オーソドックスなのは、クライマックス法です。最後に余韻が残るので、相手に良いイメージが残ります。

対して、相手があなたの話に興味がなさそうな時に効果を発揮するのが、アンチクライマックス法です。インパクトのある結論を最初に伝えることで、相手はそのあとの説明をきちんと聞いてくれるようになるでしょう。仕事や夫婦間の会話でも活用できそうですね。

近接度とは

相手との距離を縮めるためには「近接度」を使おう!

近接度とは、話し手と聞き手との心理的距離感のことを言います。

普段の会話の中で、こちらに悪気がなくても、相手が怒ってしまったり、誤解を与えてしまったりすることってありますよね。これは、自分と相手との間にある心理的距離を測り間違えたことが原因かもしれません。

例えば、会社の飲み会で上司に「今日は無礼講だからね」と言われたので、友達感覚で話したところ、上司の機嫌を損ねてしまった…という場合は心理的距離を測り間違えたと言えるでしょう。

逆に親しいにも関わらず、言葉遣いが丁寧すぎるとかえってよそよそしい印象を与え、相手の誤解を生むこともあるかもしれません。

自分と相手との関係や距離をしっかりとわきまえ、相手に合わせた話し方や言葉遣いをすることで、相手との距離を少しずつ縮めることができるでしょう。

近接度を高めるには?

近接度を高めることで、相手は親密感や好意を抱きやすくなります。

それでは、近接度を高めるにはどうしたら良いのでしょうか?

例えば、営業などで相手を説得しようとしたけれど、1回目でうまくいかなかった場合…

・「また会って頂けませんか」
→「またぜひ会って話しましょう

・「またお話したいです」
→「また~さんとお話したいです」

・「またじっくり話し合いましょう」
→「また私たちでじっくり話し合いましょう」

というように、言い回しをちょっと変えてみましょう。その際、前向きで一体感が高まるような印象を相手に与えられるかがポイントとなります。

また、名前愛称で呼び掛けると、相手の自尊感情(自尊心)を高めることができると言われています。

相手との心理的距離を縮めることで、相手に親近感を持ってもらうことができます。ぜひ、参考にしてみてくださいね。

<近接度の低い話し方をすることが効果的なことも!?>

恋愛の場面で、好きでもない男性(女性)からしつこくされて困っているという場合は、敬語で他人行儀に接すると効果的です。

このように自分にとって好ましい状況にもっていくためには、故意に近接度の低い話し方をするのが良い場合もあります。

距離を縮めるためにはこんな方法も…

相手との距離を縮めるために、時には「ゴマすり」も有効です。

ゴマすりには、4つのパターンがあります。

【褒める】

たとえ、あなたが本当は思っていなかったことだったとしても、ほめられて嫌な気分になる人はいないはず!ただし、あまりにも見え透いたお世辞は、相手に不信感を与えますので注意しましょう。

【親切にする】

お世辞同様、親切にされて嫌な気分になる人はいないですよね。「あなただから」親切にしていることをアピールすると良いでしょう。

【同意する】

「私もそう思っていました」「同感です」などの同意の言葉は、相手に親近感を抱かせます。ただし、同意する時は早い段階でするようにしてください。相手の意見をさんざん聞いた後では、相手に下心がバレる可能性があります。

【謙遜する】

「~さんのやっていることは、とても自分には真似できない」など、へりくだることで相手を持ち上げます。

ゴマすりは、第三者から見ると、マイナスイメージに思えることもありますが、八方美人にならないよう控えめに振る舞えば、有効なはずです。

会話が続かない…あまり親しくない人と会話を盛り上げたい時は?

初対面の人と話す時や、それほど親しくない人と話す時は、緊張したり、話題に困ってしまいますよね。そんな時、私たちは天気の話題をしたりしますが、それだとすぐ会話が終わってしまうし、かといってあまり深く踏み込んだ話題も気が引ける…。

そんなときは、「相手が答えやすい質問」をしてみましょう。例えば、飼っているペットの話、趣味の話、好きな食べ物の話など…。相手の答えによって、あなたも話題を引き出しやすくなるはずです。

その会話中にお互いの共通点が見つかれば、会話が盛り上がり、ぐっと距離も縮まることでしょう。

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相手の話を引き出すには?

『話し上手は聞き上手』ということわざがあります。この言葉通り、相手と親しくなりたいと思ったら、まずは聞き上手になることが大切です。聞き上手になるために有効なのはズバリ「あいづち」

あいづちを打つことで、相手は自分の話を真剣に聞いてくれていると感じます。

また、合間に「さすがですね」などの褒め言葉を言ったり、「すごいですね」と感心した素振りを見せることで、相手の満足度をさらに上げることができるでしょう。他に、話の要所要所でうなずくようにするのも効果的です。

会話に好感を抱くと、記憶にも残りやすくなるので、聞き上手になることで相手はきっとまたあなたと話したいと思うようになるはずですよ。

<会話にこの言葉を使ってはダメ!>
会話に使ってはいけないのが、「でも」「いや」などの否定的な言葉。否定的な言葉は、話の腰を折ることになりかねないので、相手も嫌な気持ちになる可能性が高くなります。仮に会話中に疑問点が浮かんでも、否定的な言葉を使うのはぐっとこらえましょう。また、ついついやってしまいがちなのが会話中に質問を挟むこと。例えば、「え、それって~ってことですか?」「誰と行ったんですか?」など。会話をきちんと聞いているというアピールにはなるかもしれませんが、話し手のペースを尊重することにはつながりません。

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それでも会話に自信がない…克服方法は?

「それでも自分の会話に自信が持てない」「会話で相手を楽しませることができない…」こんな人は、もしかしたら幼少時代に原因があるかもしれません。

小さい時の話し相手は、親が大半を占めますよね。その時に、父親や母親が興味を持って会話に応じたり、笑ったりすれば、子どもは「会話は楽しいもの」と思うようになります。そして、それを繰り返していくうちに、家族以外の人とも楽しく会話できるようになるのです。

しかし、父親や母親が話を聞かなかったり、うるさそうにしたりして、子どもが嫌な思いをした場合、子どもは会話に対して、マイナスの感情を抱き、話すことに臆病になってしまいます。このことをマイナスの条件づけと言います。

昔、付き合った恋人に暴力を振るわれ、その後、異性が怖くなり、男性恐怖症や女性恐怖症になってしまうのも、このマイナスの条件づけに当てはまります。

信頼できる人と話してみよう

マイナスの条件づけを克服するためには、まず友達などの仲の良い人や信頼できる人と話すことから始めてみましょう。そして、その中で、「楽しい」「ホッとする」と感じる体験をすることが大切です。その体験を積み重ねていくうちに、仲の良い人以外とも、気のきいた会話ができるようになっていきます。このように、ある特定の刺激と結びついた反応(仲の良い人との会話は楽しいと思うこと)が、類似した別の刺激に対しても生まれる(それ以外の人とでも会話をするのが楽しく感じる)ことを心理学用語では般化と呼んでいます。

他に、般化の分かりやすい例として、恋愛体験が挙げられます。一般的に恋人ができると、人は、前向きになり、気持ちも明るくなります。そうすると、恋人以外の人とも楽しく接することができるので、結果的に様々な人間関係が円滑になります。

会話が苦手という自覚のある方は、ぜひ相手が喜びそうな話題を会話の中で探ってみてくださいね。心理学を学ぶことで会話はもちろん、人間関係にも役立てることができますよ。

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