ミッドライフ・クライシス(中年の危機)の葛藤と対処法

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ミッドライフと向き合う方法

ミッドライフ・クライシスを乗り越えるには

中年期は、より良い老年期を迎えるための成長の時期とも言えます。青年期には、無限にあると思えた時間が、有限であることに気づくこの時期、「生きる意味」を再確認し、今後の人生をどう過ごすかを考えていくうえで、手助けになる方法をいくつかご紹介します。

客観的に自分の人生を見つめる

ミッドライフ・クライシスは、これまでの生き方に行き詰まることで起こります。また、それを自分の中だけで悩むことで深刻化していきます。ですから、客観的に見つめることが大切です。

「これまでの人生」「やりたかったこと」「やれたこと」「限界を感じていること」「こうはなりたくないという不安」「これからしていきたいこと」などを、紙に書き出してみたり、誰かに話してみたりしましょう。

解決方法が見つからなくても、一度、自分の中で思っていることを外に出すという作業をするだけでも、気持ちが整理されていきます。

持ち物を整理する

自分自身のこれまでを振り返るには、自分の持ち物を確認することも有効です。若い頃に読んでいた漫画、聞いていたCD、趣味の道具など、これまでの自分がどんなことに興味を持ち、楽しんでいたのか振り返ってみましょう。

そして、これからの自分として持っておきたいものを選び、それ以外を処分していきましょう。そうすることで、自分にとって大切なものが見えやすくなります。無理に捨てる必要はありません。これから先のやりたいことのために、少しずつ、スペースを作っていく作業です。

「家は心を表す」ともいわれていますから、片付けていくことで、心にも余裕が生まれ、次のステップに進みやすくなります。一度に整理しようと思うと大変ですから、毎日1つずつ、片付けるというのも良いでしょう。

生きがいを探求する

ミッドライフ・クライシスを乗り越えるには、生きる意欲や喜びが感じられる事が大事です。日常が平凡な繰り返しだと感じられるようであれば、今までやったことのない趣味や、資格の勉強を始めるなどマンネリを打ち破る試みを続けてみましょう。「本当はこうしたかった」「◯◯をやってみたかった」ということがあれば、思い切って始めてみると、新しい世界が広がることでしょう。

また、これまでは「あまり価値がない」と思っていたことを見直すということも効果があります。今まで全く料理をしなかった人でも、料理教室に行ってみたら楽しかったというような発見をすることがあります。

今までの仕事や趣味に行き詰っている人も、第2の得意分野を見つけるという視点で、取り組んでみて下さい。

情報を選別する

現代は情報化社会で、中年期であれば、スマートフォンやPCを持っている人も多い時代です。SNSやネットニュース等で、いつでも大量の情報を得ることが出来ます。

しかし、一方では、情報過多な状態が情報疲れを引き起こし、自分の中で処理をすることを難しくさせています。

自分と同じ年代で、成功を収めている人を見て、つい自分と比較してしまい、劣等感が刺激されてしまうこともあるでしょう。自分が好きな物事に関するネガティブな情報にさらされて、やる気を失ってしまうこともあります。

ですから、いらない情報は得ないようにする工夫をしてみましょう。例えば、SNSを見ない日をつくる、不快な発言をするユーザーが表示されないように設定をする等してみましょう。

睡眠時間を確保する

睡眠時間が最も少ない年代は、40代という調査結果が出ています。あなたは十分な睡眠が取れているでしょうか?

睡眠が不足すると、気持ちが繊細になりやすく、悩みごとに焦点を当てやすくなってしまいます。また、日中に起きた様々な出来事をきちんと処理することが難しくなります。

いつもより長めに睡眠時間を取るだけでも、気持ちの落ち込みを緩和することが出来ます。どの年代でも男性よりも女性の方が睡眠時間が短いという結果が出ていますので、女性は特に心がけてみて下さい。

「今できること」をする

やらなくてはいけないことは分かっている…でも、動けない。そういった場合もありますよね。

そのような時は、これまでのことで心身共に疲れてしまっていますから、まずは休養が必要かもしれません。

それでも、休むことに罪悪感を覚えることもあるかと思います。

それならば、まず「今の自分にできること」だけを、コツコツこなしていきましょう。どんなに些細なことでも、出来て当たり前と思うことでも、構いません。

ただただ、それを続けていくうちに、少しずつエネルギーが回復し、更に動いていく力が養われていきます。

心理療法で自分を見つめ直す

ご自身で出来る対処方法をご紹介しましたが、悩みが深く、一人で対処するのが難しい場合には、心の専門家に相談をしてみましょう。

カウンセリングを受ける

心療内科、精神科、心理臨床オフィスなどで、心理士によるカウンセリングを受け、自分のこれからについて相談するという方法があります。

ミッドライフ・クライシスを乗り越えるには、ありのままの自分を受け入れることが大切です。過去を悔やむのではなく、今までの人生で良かった出来事、得てきたものをカウンセラーと一緒に振り返ってみましょう。

内観療法を受ける

内観療法は日本の吉本伊信氏が生み出した心理療法です。

治療者(カウンセラー)とクライエントの相互作用が治療に結びつくとされる他の心理療法とは違い、日常的な刺激が遮断された室内で一人でずっと内省をしていきます。

「ひきこもり」やアルコール依存症などにも効果があるとされ、心の専門家に相談する事に抵抗がある方にも推奨されています。

参考日本内観学会

ミッドライフ・クライシスを転機に

心理学において、「クライシス(危機)」という言葉には、様々な意味がありますが、多くは何かしらの危機を経て、心が危険な状況に陥ったあと、再統合もしくはバランスを取り戻す」という一連の流れを指します。

つまり、ミッドライフ・クライシスには悪いことばかりではなく、プラスの面もあるということです。

ミッドライフの葛藤を克服することは、ある意味、中年期における成熟した「成長」に繋がるとも言えます。この時期を絶好の「機会」と捉えて、乗り越えることができれば、人生の良き転機となるのではないでしょうか。