「まだまだ元気!」という人にこそやって欲しい終活のススメ


最近テレビなどでよく特集されている「終活」という言葉をご存じの方も多いのではないかと思います。では、皆さん、その意味はご存じでしょうか?

あるアンケートでは、「終活という言葉を聞いたことはあるけれど、意味は知らない」と答えた人が3割以上だったそうです。

今回はこの「終活」について詳しくご紹介していきます。

終活って何?

終活とは、「人生の終わりに向けて行う活動」のこと。2009年に週刊誌の連載記事から生まれた造語です。大まかには、「自分の葬儀やお墓について考えたり、残された家族などが困らないように財産や相続の計画を立て、身辺整理すること」を言います。

「人生の終わり」というと、かなり先のことに思われる方もいるかもしれませんが、将来のことを考えておくことで、今を「豊かに生きる」ことができます。

日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳です。

出典:主な年齢の平均余命|厚生労働省(2017)

そのうち、平均して約13年は介護が必要な期間と言われています。また、事故や病気などで、突然意思疎通ができなくなるということも考えられます。そのため、準備は早いに越したことはありません。

親の介護が始まって、人生には限りがあると実感している40~50代の方、必見です!

1、エンディングノートを書く

終活 エンディングノートを書く

終活とエンディングノート

エンディングノートとは、自分の「もしも」の時に備えて必要な情報を記しておくノートのことです。

エンディングノートには、自分のこれまでの人生の歩み、相続について、医療や介護(余命告知など)について、葬儀やお墓に関する希望などを書きます。

まず1番最初に書くべきなのは、「非常時に必要な情報」です。エンディングノートが注目されたのも東日本大震災がきっかけだったそうです。

例えば、持病・アレルギー・常備薬のこと、親類や知人の連絡先、加入保険、貴重品の保管場所などを記します。

ここで重要なのは、エンディングノートは遺言書とは違い、法的効力はないということ。あくまで、自分が周りの人に「○○してほしい」と伝えるためのものであることを理解しておいてください。

そのため、自分が書くことで満足してしまうのではなく、書いて保管場所を決めたら、それを家族など共有したい人に伝えることが大切です。

エンディングノートは、大型書店などでいろいろな種類のものが売られています。また、無料のアプリなども提供されていますので、ぜひ自分に合うものを選んで書いてみてくださいね。

2、遺影を準備する

「え~っ!今から遺影?」と思われる方も、もしかしたらいるかもしれません。でも、故人を偲ぶために遺影は大切なもの。

自分の死後、何年も子どもや孫が手を合わせるのに、その場しのぎの変な写真だったら、悲しくなりませんか?そこで、生前に遺影用のお気に入りの写真を準備しておくことをオススメします。

といっても、わざわざ遺影写真を撮りにいくというのは、なかなかハードルが高かったりもしますよね。ですので、記念日などを利用して家族などと出かけてみてはいかがでしょうか?

最近の遺影写真はカラーが一般的。額縁も様々な種類のものが出ています。写真を1枚に絞るのが難しいという方は、タイプの違う3枚の写真を準備してみましょう。

例えば、かしこまった一般的なスタイルの写真をメインにして、あとの2枚を若い頃や子どもの時の写真とリラックスした表情で写っている写真にするなど…。

終活 遺影を準備する

現在、全国のたくさんの写真館で、遺影写真を撮ることができるようになっています。中には、遺影写真専門のフォトスタジオもあるくらいです。

本人の希望するイメージに合わせてヘアメイクもしてもらえるので、「縁起でもない」と思う方も、ぜひ生前にキレイな写真を撮ってみてはいかがでしょうか?

3、生前整理をする

皆さんは、日頃部屋の整理整頓をしていますか?部屋の整理は、ついつい億劫になってしまいますよね。見て見ぬふりを繰り返し、結局手遅れになる…なんてことがないように、皆さん、生前整理もしっかり行っていきましょう!

まず、一番に行うべきなのは、秘密や過去を整頓すること。以前、テレビで「ゴミ処理場から高額の現金が発見された」なんてニュースが流れていることもありました。

参考:NHK クローズアップ現代 ゴミから現金が見つかる!? “忘れもの“急増の謎

そうならないためにも、遺族に引き継いでほしいものと、処分するものをしっかり分けることが必要です。

例えば、

・遺族に引き継いでほしいものをリスト化する
・人に見られたら困る、または嫌なものを処分する
・不用品を処分する

など、出来ることから始めてみてください。生前整理は、特に体力と時間を要する作業ですので、可能であれば、50歳を目安に始めてみてくださいね。この整理を行うと、老後を穏やかに過ごせるのではないかと思います。

ちなみに、遺族が処理に困る遺品の1位は「写真」だそうですよ。

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4、葬儀のことを考える

終活において、メインテーマとも言える葬儀。まずは、葬儀のスタイルを決めましょう。最近では、通常の葬儀の他に、「家族葬」や「直葬」も注目されています。今回は、この2つの特徴についてご紹介します。

家族葬

中規模の場合は、参列者の数は30~80人程度で、故人の近親者や本当に親しかった友人のみで葬儀・告別式を行います。

小規模の場合は、参列者の数は、10~30人程度で、こちらは故人の近親者(家族や親族)のみの葬儀・告別式となります。

故人とゆっくり向き合う時間がとれるため、お別れがしっかりできることがメリットです。ただ、小規模だからといって、葬儀費用が大幅に安くなるとは限りません。

また、参列者の範囲をどこまで絞るのかの検討が必要になるでしょう。もし、呼ぶかどうか迷った時には、後々のトラブルを防ぐためにも呼んだほうが無難かもしれません。

直葬(火葬式)

原則的に通夜や告別式などの儀式は行いません。自宅、または病院から直接火葬場に搬送し、火葬するスタイルです。炉前での読経や祈祷が行われることもあります。

参列者数は、10人未満で、参列者は家族のみとなります。

葬儀費用の全国平均が約200万円であるのに対し、直葬の費用は20~30万程度なので、費用を安く抑えることができます。

しかし、葬儀を簡素化することで、遺族に大きな悲しみが残ったり、「きちんとお別れをしたい」という友人などの気持ちを無にしてしまう可能性もありますので、安いからといって安易に選ぶのは危険です。

次に、葬儀社を選びましょう。葬儀社選びのポイントは以下の通りです。

  • 実際そこで葬儀を行った人の口コミを参考にする
  • 地元に根付いている会社かどうか
  • 1人の担当者が、最後まで責任を持って担当してくれるかどうか
  • 担当者と相性が良いかどうか

3社ほど見積もりを取ることで、大体の相場が見えてくるはずです。その際は、必ず「総額」をチェックするようにしてくださいね。

また、パンフレットのみを見て判断するのではなく、直接葬儀社に行って雰囲気を見たり、担当者と話をしてみることも大切です。

現在は「終活フェア」なるものも開催されていますので、最初の取っ掛かりとして、赴いてみるのも良いと思います。

5、お墓について考える

墓地は経営母体によって3つに分かれています。まずは、どの種類の墓地にするかを決めましょう。

終活~お墓について考える

公営墓地…都道府県や市町村など自治体が運営しています。経営・管理がしっかりしているので安心です。都市部では値段が高めになるものの、全体的に永代使用料や管理費が安いです。

ただ、募集数が少なく時期も限られています。また、申し込む時にも資格制限がある場合が多いので注意しましょう。

寺院墓地…寺院が管理や運営を行っています。立地条件が良いところが多く、管理も行き届いています。法事も安心して任せることができるでしょう。

ただし、宗教や宗派は限定されます。また、住職の代が変わった時に少し不安を覚えるかもしれません。

民営墓地…公益法人や宗教法人が経営を行っており、宗教や宗派を問わないことが特徴です。管理・運営・販売は石材店や開発業者が主体です。数が多いので入手しやすく、申し込みの資格制限も厳しくありません。

ただし、永代使用料や管理費は公営墓地に比べて高くなります。近年開発された墓地ですと、駅から離れている場合も多いので、事前に確認するようにしましょう。

次に、お墓にかかる費用の内容を理解しておきましょう。

永代使用料…墓地を使用する権利を所得するための費用です。あくまで借りているものなので、離れる時にも費用が発生します。

墓石工事費…墓石や花立、香炉などの付属品にかかる費用です。土地が広いと、その分石代も高くなります。

管理費…供用スペースの管理費用です。毎年の支払いが必要になります。

永代使用料+墓石工事費の費用総額で、最も需要の高い価格帯は200~300万円です。都心では、費用が高くなります。また、意外と付属品のコストがかさむことがありますので、全体の費用を把握するようにしましょう。

その他のポイントとしては、

  • 管理母体の確認
  • 管理母体の信用性
  • 周りの環境
  • 広さや価格
  • 石材(石材やデザインは選べるか)

を確認すると良いでしょう。

以上、お墓の説明を続けてきましたが、先祖代々のお墓がある方は、改めてお墓を用意する必要性は感じないかもしれません。

もちろん、自分の死後、そのお墓を管理してくれる家族がいる場合には、先祖代々のお墓でも良いかもしれません。でも、管理してくれる家族がいないという場合は、お墓について、ぜひ改めて考えて頂きたいです。

最近では、「墓友(はかとも)」という言葉が度々メディアに登場しています。墓友は、「一緒にお墓に入る友達」の略です。お墓に対する考え方が同じ人たちが集まって、合同で入ることが出来る「共同墓」も、現在急速に広まっているようです。

散骨という考えも…

核家族化が進み、現在はお墓を持たないで海への散骨を希望する人が増えています。

海洋葬のポイントも押さえておきましょう。

メリットとしては、継承者がいなくても良い、宗教・宗派を問わない、墓地や墓石が不要なので安くすむ、などが挙げられます。

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ただし、天候に左右されたり、船酔いの心配があります。

現在は、「節度を持って行われる限り違法ではない」と関係省庁から発表されてはいますが、その解釈は人それぞれで、違和感を覚える方も多いかもしれません。

また、例え亡くなった本人が散骨を希望していても、残された家族にためらいがある場合は、実施されない可能性が高いでしょう。

散骨をお考えの方は、家族間、親戚間であらかじめ話し合いの場を設けてみるのが良いかと思います。

海洋散骨のプランは3種類あります。

一艘の船を3組の遺族がチャーターする個別散骨、複数組の遺族が一艘の船に乗る合同散骨、スタッフが遺族の代わりに散骨する代行散骨です。一度散骨したら、もう二度と取り戻せないことも理解しておきましょう。

散骨の他に、「樹木葬」というものもあります。これは、「墓地、埋葬などに関する法律」で墓地として許可を得られた場所に遺骨を埋めて、墓石の代わりに樹木を墓碑とする埋葬法です。

海洋散骨と同様、比較的安価です。

このように現代人のニーズに合わせて、埋葬は多様化しています。いろいろ検討してみてくださいね。

6、遺言書を書く

遺言書作成が特に必要なのは、どんな人でしょうか?

  • 子どものいない人
  • 財産が不動産しかない人
  • 相続人の一人に特定の財産を残したい人
  • 相続人以外に財産を残したい人
  • 血のつながっていない者同士が相続人になる

などが挙げられます。

これらに当てはまる場合は、特に遺言書を書くことをオススメします。

作成する遺言書は一般的に2種類あります。自筆で書く自筆証書遺言は、紙とペンと印鑑さえあれば、すぐにでも作成することができます。ただし、不備があった場合は、無効になりますし、法的効力は弱いです。

もう1つは、公証人役場で公証人が法的に作る公正証書遺言です。こちらは、お金も手間もかかりますが、トラブルが起こりにくく無効になる恐れが少ないといえます。

遺言書は基本的に何を書くのも自由です。しかし、内容によっては法的効力を持つものと持たないものがあるので気をつけてください。

参考:遺言書で効力が生じる事項・効力がない事項

また、認知症になってしまったら、遺言書に法的な効力が生じることはないそうです。認知症にかかる前に作成されていた遺言書であれば有効ですので、早めに書くに越したことはないでしょう。遺言書の更新は随時可能です。ただ、遺言書を書いた後は、改ざん防止のためにも、封書に入れてきちんと封印をするようにしてください。

終わりに

今回は、終活についてご説明してきました。終活では、行わなくてはならないことがたくさんあるということが、このコラムを通してお分かり頂けたのではないかと思います。

もし、終活についてもっと知識を深めたいという方は、終活カウンセラーや終活アドバイザーといった資格もありますので、調べてみるのも良いでしょう。

一般社団法人 終活カウンセラー協会

>>注目の「終活アドバイザー」資格取得に挑戦してみた!

終活に必要なのは、「気力」「体力」「判断力」です。そして何より大切なのは、自分の最期についての考えを自分一人で完結させるのではなく、周りの人にしっかり伝えておくこと。

物の量は年々増えていくのに対して、私たちは年をとるにつれ、体力も気力もなくなっていきます。そのためにも、終活は早めに行うに越したことはありません。皆さんも今日から「終活」始めてみませんか?