ストレスマネジメント~学童期の子どものストレスへの対応

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子どものストレスとソーシャルサポート

ストレス反応を軽減させるソーシャルサポート

コーピングは子ども自身が行う対処ですが、親や周囲の大人のサポートも重要です。

同じようなストレッサーを経験しても、周囲からの社会的支援(ソーシャルサポート)が得られる場合には、ストレス反応が軽く済むことがわかっています。またソーシャルサポートの存在は、適切なコーピングを選ぶことにもつながります。

親として、どのようなサポートが行えるのか見ていきましょう。

このソーシャルサポートは、情緒的支援、情報的支援、道具的支援、評価的支援の4つに分けることができます。

情緒的支援

子どもの気持ちに耳を傾け、理解しようとし、慰めたり、励ましたりすること。

子どもの行動について良し悪しの判断はせず、「辛かったね」「大変だったね」など、子どもの気持ちに共感を示しましょう。言葉掛けだけではなく、抱きしめる、そばにいるなど、行動で伝えることもできます。

自分の状況を理解し、肯定してくれる存在は、たとえ直接、問題を解決することにならなくても、子どもにとって大きな支えとなります。

情報的支援

問題解決に必要な知識や、適切な解決方法について、アドバイスをすることです。

解決方法があることや、解決の仕方が分かることで、子どもは解決に向けて行動に移すことが出来るようになります。

例えば、ケンカをした友達との仲直りのために、「手紙を書いてみたら?」と提案するなどです。

道具的支援

直接手を差し伸べて、ストレッサーを除去するのを実際に助けます。

特定の友人とのトラブルのような、ストレスの理由が明確な場合に有効です。例えば、話し合いの場をつくったり、間に入って、気持ちを伝える手伝いをするなどです。

評価的支援

子どもが取った対処などに対して、適切な評価を与えたり、フィードバックを行います。

例えば、適切な行動が取れた時は褒めるなど、肯定的な評価をしたり、改善が必要な場合には何がどう上手くいかなかったのかを振り返ったりします。

ただし、身近な人物の場合、かえってこれらのサポートを行うことが難しいこともあります。子どもが聞く耳を持ってくれなかったり、時には親などサポートする側が抱え込み過ぎて過度なストレスを抱えてしまうことにもなりかねません。

サポートをする側も、何でも自分だけで対処、解決しようと思わず、学級担任に相談したり、スクールカウンセラー、子ども家庭支援センターなどの教育相談員など、第三者の専門家に相談することも重要です。

レジリエンスを高めておく

レジリエンスとは、困難な状況を乗り越えていく「心の回復力」です。

人は誰でも嫌な出来事、ショックな出来事を経験すれば、傷付き、落ち込むものですが、その後、立ち直れるかどうかは、このレジリエンスの高さに関係します。

これは、先ほどのコーピングを身に付けることでも高まっていくものです。

レジリエンスを鍛える~ハーディネスからレジリエンス(回復力)へ
レジリエンス(resilience)とは、心理学では「精神的回復力」と訳されます。大事な会議の前になるとお腹が痛くなる…、上司の前で緊張して話せなくなる…そんな時、「自分は、心が弱いのかも?」と思った事がありませんか。

親として、様々なサポートを行うことは出来ますが、最終的にストレスに対処するのは、ストレスを抱えた子ども自身。親や周囲の大人はあくまで子どものストレス反応を軽減し、問題解決を手伝う立場にいます。

困難にぶつかってストレスにさらされたとき、解決に向かう糸口を自分で見つけるためには、子どもが普段から「自分は価値のある存在」だと思えるよう、接することが大切です。

いつか、親の手を離れてもストレスに負けないよう、日ごろから子どものレジリエンスを高めることに気を配っておきましょう。

ひとが生きていく上で、ストレスと無縁でいることは難しいものです。そのため、ストレスに立ち向かう経験は子どもの成長過程において必要とも言えます。

今回、ご紹介したことを参考に、ご自身のお子さんや、周囲の子ども達を支えていってください。

子どもとストレスマネジメント