ストレスに強い人の特徴
あなたはストレスに強いタイプでしょうか、弱いタイプでしょうか?
たとえ同じ状況に置かれたとしても、人によってストレスを強く感じてしまう人と、そうでない人がいますよね。一体何が違うのでしょうか?
物事を客観的に見ることができる
まずストレスに強い人は、自分の心や認知(物事の受け止め方や考え方)について、客観的に見ることができます。自分が置かれている環境や状況を、客観的に見ることができる人は、ストレスを感じにくいタイプと言えるでしょう。
現状に向き合うことができず、不安やネガティブな思い込みで物事を判断してしまう人は、ストレスに弱いタイプかもしれません。特に「取り越し苦労」が多い人は要注意。自分の「不安」がストレスを増幅させています。落ち着いて物事を客観的に見るように心掛けるだけで、ストレスに強くなるでしょう。
こんな思考に要注意
例えば、仕事で大役を任されたとします。やるべきことで頭がいっぱいになるかもしれませんが、緊張のあまり「上司のあの不機嫌な表情は、自分をよく思っていないのかもしれない」「ミスをしたらすべてお終いだ」などと思い始めたら要注意です。
上司は二日酔いで体調が悪かったのかもしれませんし、そもそもそれが上司の普段の表情なのかもしれません。あなたの不安な気持ちが生んだ勘違いかもしれないのです。
誰でも不安から疑心暗鬼になることはあります。そんな自分の不安も客観的に見られる人は、ストレスに強い人と言えるでしょう。
自分の心の声を聞くことができる
『自分の心を客観的に見る=感情を感じない』というわけではありません。
例えば、あなたがミスをして上司に怒られたとします。怒られたことに対してのショックや悔しさなどの感情は、もちろん感じて当然です。
大切なのは、「ミスをしてショックだ」「上司の信用を裏切ってしまったと思うのがつらい」「上司の期待に応えたかったから、悲しい」など、自分の心の声をきちんと捉えられるかどうかなのです。
合言葉は「まあ、いいか」
次に、ストレスに強い人の特徴として、否定的でも悲観的でもなく、「まあ、いいか」で受け流すことも挙げられます。
ストレスに強くなる思考の鍵となるのは「楽観性」です。失敗しても、そのことでずっと悩み続けたりせず、「まあ、いいか」「そういうこともある」と、気持ちを切り替え、多少ミスをしても「何とかなるだろう」という見立てが持てると、心に余裕ができます。
もちろん、何もかも「まあ、いいか」では困ってしまいますが、悲観的になり過ぎて悪い方向にばかり考えてしまうと、物事の停滞を招くどころか、余計な失敗に繋がりかねません。できるだけ気持ちを早く切り替えて、物事を進めるための新しいアイデアを考える方が得策ではないでしょうか?
また、様々な困難が訪れても、「大丈夫。きっとうまくいく」と好転することを信じられると、失敗への対処もうまくいきやすいものです。長期的な視野を持って進む方向さえ見失わなれば、その過程で多少ミスをしても、動じずに対処できるでしょう。
「すべて自己責任」の罠に注意!
困難にぶつかったとき、それでも何もかも自分でやり遂げ、全て自分で解決しなければならないとしたら…考えるだけで辛そうですね。ですが、意外と陥りやすい思考です。
特に責任感の強い人は自分に厳しすぎる傾向にあり、気が付くとよくこの思考に陥ります。「周りの人に頼るなんて自分はダメな人間だ」と自分を責めたり、人に迷惑をかけてはいけないと思っているのかもしれません。
自分が抱えている「責任」が思い込みではないか、見つめ直す習慣をつけてみましょう!
ストレスに強い人は頼り上手
「すべて自己責任」タイプの人は、ストレスを抱え込んでしまいがちですが、ストレスに強い人は周りの人に上手に頼っています。何でも自分一人で抱え込んだりせずに、人に甘えたり、相談することで物事を解決しようとします。心を開いて悩みを打ち明けることで、周りの人の協力を得られるのです。
人は頼られると嬉しい生き物
また、自分にとっては不得意でやりたくないことでも、他の人にとっては得意である可能性もあります。面倒なことを頼んだだけで喜ばれたり、自分より完成度の高い仕事をしてくれたりなど、意外な協力者を見つけることができるかもしれません。
このように、ストレスに強い人は、適度に人に頼ることの大切さや面白さを知っているとも言えるでしょう。
失敗も成功もタイミング次第と考えることができる
人生は思い通りにならない!?
私たちは、何か上手くいかないことが続くと「なんてツイていないんだろう」とか「どうして自分だけがこんな目に…?」等と、悲観的になりがちです。
何か失敗した時には「タイミングが悪かった」と考えましょう!…と言われたら、責任感の強い人には理解できないかもしれませんが、大事なことは、失敗の原因を「あいつが悪い」「あいつのせいで…」と他人の責任にしない事です。
責任転嫁はストレスを増長する?
他人に責任を押し付けることで、自分は責任から逃れ、ストレスから解放される印象を受けますが、押し付けた相手に対しての怒りや嫌悪感という新たなストレスに繋がります。
そうすると、その相手と接すること自体も嫌になってしまうなど、新たなストレスが増える可能性すらあります
「反省」はしっかりする
もちろん失敗を引き起こした原因として、自分や誰か特定の人のミスが大きなウェイトを占めるように見えるものもあるかも知れません。
もしそうだったとしても、そのミスに至る過程の中に様々な要因があったはずです。客観的に、起きてしまった事実と反省点を確認する事は大事ですが、ストレスの観点からも失敗の原因を追究し過ぎるのはあまりオススメできません。
成功もまた然り
失敗と同様に、成功もタイミング次第と考える習慣も大事です。誰か特定の人の行動が成功の原因だったとしても、そこに至る過程で様々な要因が影響し、成功に繋がったはずです。ストレスに強い人はそれも知っているからこそ、失敗も成功も客観的に捉えられるのではないでしょうか?
人は、「人生は思い通りにならないことがある」とは頭では分かっていても、心のどこかで「思い通りになるはず」と信じています。
人間は本能的に、予測不能なことは「恐怖」であり「危険があるので避けたい」と考えます。だから思い通りにいかないことで不安になるのは、当然のことなのです。
ストレスに強い人は、そういった本能的な不安も受け入れたうえで、「これも良い経験になるだろう」「きっと必要な過程なのだ」と、前向きに捉えることができます。冒険心や遊び心で、「人生は思い通りでないからこそ、面白いのだ」と思えることが、強さの秘訣かも知れませんね。
気分転換の方法をいくつも持っている
ところで、あなたには自分のお気に入りの気分転換法はありますか?
すぐに幾つか挙げられる人は、ストレスに強い人と言えるでしょう。一方、あまり思いつかない人は、ストレスに真っ向から対峙してしまう傾向があるかもしれません。
嫌な事があった時や憂うつな気分の時、意識的にそこから離れて気持ちをリフレッシュすることで、心がマイナス思考から解放されます。そのあと改めてその問題を考えると、客観的に捉えることができ、思いがけない解決法やアイデアが生まれることがあるでしょう。
ストレスに強い人は、このことをよく分かっています。いい仕事をするためには、自分の機嫌を良くすることが大切だと知っているので、気分転換を大切にしているのですね。
あなたもストレスに強くなれる!?~「同一化」のテクニック
もし、あなたが今より強い心を手に入れたいのなら、ストレスを自分でコントロールする「ストレスマネジメント」について、学んでみることも一つの方法です。「ストレスマネジメント」について知る過程で自分の心を深く知ることとなり、強い心を手に入れることができるでしょう。
ですが、もう少し簡単にできる方法として、「同一化」のテクニックをおすすめします。
「同一化」とは
「同一化」とは、優れた人物や憧れの人物と自分とを同一視し、その考え方や言動を真似したり取り入れることで、劣等感を克服したり、成長しようとする心の働きをいいます。
子どもが親や先生の言動を見て、言葉や社会的なルールを学ぶことも、同一化の一つです。また、憧れのミュージシャンの態度や服装を真似ることも同一化と言えるでしょう。
なりたい人物像に自分を近づけることで、その特徴をインストールし、自分のものとして取り入れると考えると、分かりやすいかもしれません。
百聞は一見に如かず
現代ならインターネットで簡単に情報を手に入れることができますし、本もいつでも手に入る環境にありますので、わざわざ人と会わなくてもいいだろうと思うかもしれません。
しかし、ただ文字だけで『知る』ことと、実際に人と『会う』『話す』『体験する』ことは全く違います。実際に会ってみることで得られる情報は、思った以上に多いのです。
まさに『百聞は一見に如かず』と言えるでしょう。
「同一化」を利用して、ストレスに強くなる!
それでは、今までに挙げたストレスに強い人の特徴をまとめてみましょう。
- 客観的な視点で物事を見る(自分の感情も俯瞰できる)
- 楽観的な視点も忘れない(「まあ、いいか」の精神)
- 周りの人に頼る(自分ですべてやろうとしない)
- 成功も失敗もタイミング次第と割り切る
- 人生は思い通りにならないものだと楽しむ視点を持っている
あなたの身の回りに、これらの特徴を持っている人はいませんか?全ての特徴が揃っていなくても、部分的でも構いません。
まずは、その人と話したり、その人の考え方に触れられる機会を作り、ストレスに強い人の考え方を取り入れてみましょう。
あとは真似をするだけ
それができたら、次はその人を真似しましょう。特に、何かストレスを感じたとき、「あの人ならどう考えるだろうか?」という視点で考えてみるといいでしょう。きっと、以前のあなたより冷静で客観的に問題と向き合うことができ、心に少し余裕が生まれているはずです。
それを繰り返すことで、知らず知らずのうちに、あなたはストレスに強い人の特徴を身に付けていくことができ、心が安定した状態を保ちやすくなります。
ストレスに強くなる「同一化」のテクニック、ぜひ取り入れてみてください!