アダルトチルドレンとアルコール依存症

アダルトチルドレンを正しく知るために

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大人になったアダルトチルドレンの特徴
アダルトチルドレンという言葉は、アルコール依存症の親の下で育ち、成人後も深刻な悪影響を及ぼしている人から由来している

大人になったアダルトチルドレンの特徴的な思考

次に、大人になったアダルトチルドレンが抱えている特徴的な思考を、いくつか取り上げてみましょう。

自分を受け入れられない

「ありのままの自分」を受け入れることができず、誰かに必要とされる時にだけ、自分の存在を確認することができます。そのためDV(ドメスティック・バイオレンス)などの暴力的な環境からも抜け出すことができません。相手に見捨てられることを恐れ、暴力を受けていても相手にしがみつこうとします。生まれてきてよかったのだろうかなど、常に漠然とした不安や自己否定感があり、アルコール依存、薬物依存、過食などにも繋がりやすいと言えます。

自分の欲求がわからない

周囲の期待や要求に応じて行動してきたため、自分の本来の欲求や感情がわかりません。自分と相手の境界が認識できず、相手の望むことが自分の欲求のように感じてしまうため、本来の自分の感情とのバランスがとれません。他人との適切な距離感が分からず、仕事に没頭してしまったり、ゲームなど現実感覚から回避しようとする傾向があります。

自己主張できない

相手から拒否されたり、反論されることを恐れ、自己主張できません。自分の意思でさえも相手に依存し、相手の言うとおりに従ってしまいます。YES、NOがはっきり言えないため、相手につけこまれることもあります。一方、相手に威圧的な態度をとって支配的になることもありますが、これも相手からの拒否を恐れての行動と言えます。

またこれ以外にも、人によって様々な特徴があります。

行動の問題点

アダルトチルドレンの行動の問題点としては、漠然とした不安をいつも抱え、苛立ちを他人にぶつけてみたり、徹底的に自己否定することにあると言えます。常に満たされないばかりか、楽しむことに過剰な罪悪感を感じるため、気の休まる時はありません。

これらの特徴に共通していることは、「自分が存在することが許されていない」と深く思い込んでいることと言えるでしょう。この思い込みに気が付き、自己を解放することが回復のカギとなります。

回復すると

アダルトチルドレンの生きづらさから回復した人達を「スライバー」と言います。

回復すると、一人でいることが出来る、親のことで過剰なエネルギ-を使わない、自分に優しくなれる、他人の期待に操られない、自分で選択をして自分で決定出来る、選択をしたことに責任がとれる、自分は世の中に受け入れられていると思えるなど、少しずつ自分の人生を取り戻せるようになっていきます。

適切な知識と治療

既述のとおり、「アダルトチルドレン」という診断名はつきません。表出している症状によって適切な治療をすることで、回復に繋がります。勝手な解釈や間違った知識での自己診断や、他者へのレッテル張りをするのではなく、必ず専門医を受診したり、カウンセラーに相談するなど、専門家の適切なアドバイスを受けることが重要です。

また、虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)などは、公的機関において相談窓口が必ずあります。守秘義務から、相談内容の秘密は守ってくれますので、安心して相談することができます。自助グループとしては、ACODAなど、全都道府県で自助活動も行われています。

一人で悩まないで

アダルトチルドレンだからといって、社会生活を送れないほどの症状が出るわけではありません。社会生活に支障がない場合は、何らかの生きにくさを感じながらも、そのまま生活している人がほとんどでしょう。

アダルトチルドレンからの回復は、アダルトチルドレンとして必死に生き抜いた自分を認め、労わることから始まります。専門医の受診やカウンセリングも、自分を大切にする行為の一つです。相談してみることで、苦しみから抜け出すきっかけを掴むことができるかもしれません。

心療内科や精神科を受診することに抵抗があったり、「それほど酷くない」と思い、一人で苦しみに耐えている方は、まずはカウンセラーに相談してみることをおすすめします。