人間の心理状態は、色と深く関係していることが分かっています。色と感情の関係や、好きな色と性格、日本人の好きな色など。奥が深い「色彩心理学」、その一部をみていきましょう!
色と感情の関係に気付いたのは心理学者ではなく小説家だった!?
色彩心理学というのは、一言で言うと、色と人との関係性についての学問のこと。色と感情の関係に初めて着目したのは、小説「若きウェルテルの悩み」などで有名なドイツの作家ゲーテです。
ゲーテは小説家として有名ですが、実は科学者としても大きな功績を残しています。著作「色彩論」には、黄色=「明るい」「強い」「熱い」などのプラスの性質を、青は=「暗い」「弱い」「冷たい」などのマイナスの性質を持ち、対立する色であると書かれています。
また、スイスの心理学者ルッシャーは、私達はその時の気分によって無意識に色を選んでいると考えました。例えば、気分が良い時には明るい色を好み、沈んだ気持ちになった時には暗い色を自分でも意識しないままに選んでいると言うのです。
もちろん、気分の良し悪しに関わらず、元々好きな色というのも、皆さんありますよね。ルッシャ―は、色の好みにその人の心理や性格が投影されているとも主張しています。
あなたは何色が好き?意外な性格が丸わかりになるかも?
それでは、あなたの好きな色から性格を探ってみましょう。
●赤が好きな人は…赤は、欲望や征服欲、積極性を表します。この色を好むのは正義感が強く、リーダータイプの人です。ただし、興奮しやすいところが玉にキズ。時に仲間にケンカ腰になってしまったりすることもあるようです。
●青が好きな人は…青は、静けさを表します。この色を好む人は安定した性格の人が多いです。また、周囲との人間関係に気を配る、協調性のある人でもあります。
●緑が好きな人は…緑は、自負心を表します。この色を好むのは、我慢強く、堅実な人と言えるでしょう。冷静に自己主張できるのが強みです。
●紫が好きな人は…紫は、神秘性を表します。この色を好む人は、繊細で感受性が強いです。また、ロマンチストな人も多いと言われています。
●黄が好きな人は…黄は、快活さや温かさを表します。この色を好む人は野心家で、大きな夢を持っている人が多いです。また、勤勉家でもあります。
●ピンクが好きな人は…ピンクは思いやりや幸福を表します。この色を好む人は恋愛体質の人が多いです。周りへの気配りを欠かしませんが、他者依存の傾向があります。
●黒が好きな人は…黒は、断念や放棄を表します。この色を好む人は、良くない状況に陥った時、一旦は努力するのですが、飽きっぽく、物事が持続しないことがあります。
◯白が好きな人は…白は、潔癖や真面目さを表します。この色を好む人は、誠実な人。物事にもコツコツ取り組みます。ただし、融通がきかないところもありそうです。
代表的な色をご紹介しました。あなたの好きな色と性格はマッチしていたでしょうか?
日本人の好きな色に傾向はある?
それでは、日本人が好みやすい色というのはあるのでしょうか。以前行われた研究から、次のような特徴があることがあることが分かっています。
<年齢>
年齢が低い…年齢が低いほど明るく鮮やかな色を好む。また、特定の色に好みがかたよっていることが多い。
年齢が高い…年齢が上がるにつれ、暗い色を好むようになる。また、加齢と共に好みは分散していく。
<性別>
男性…青系の色を好む人が多い。また、鮮やかなトーンや暗いトーンが好きで、好みは特定の色に集中しやすい。
女性…紫から赤にかけての色(ピンクやオレンジ)を好む人が多い。また淡いトーンを好み、好みの色は分散している。
このように、年齢や性別によっても好みの色は分かれています。また、冒頭でも少し触れましたが、気分によって色の好みが変わるということもありますよね。
色の様々な活用法
先ほど、好きな色と性格についてご紹介しましたが、普段身に着ける服や小物の色を意識的に変えることで、周囲に与える印象も変えることができるのです。例えば、真面目な印象を与えたい時は青色のネクタイをつける、明るく親しみやすい印象を与えたい時には黄色のネクタイをつけるなど…。
また、あるレストランでは、「青のテーブルクロスを赤のテーブルクロスに変えたら、注文が増えるようになった」と言います。これは、赤が温かみを与え、食欲を増進させたと考えられます。逆に、家庭で青のランチョンマットを使えば、食欲を減退させるので、ダイエットに効果的です。
このように色は、私たちの生活に様々な形で取り入れることができます。もっと他の色の効果も知りたい、生活へ色を役立てたいという方は、勉強がてら資格を取ってみるのもおすすめです。また、現在では、カラーセラピストや色彩心理カウンセラーなど色の知識が活かせるお仕事もたくさんあるので、興味のある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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