占いの心理とカウンセリング

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占いを含むスピリチュアル市場は、一兆円規模と言われています。対面はもちろん、雑誌やテレビ、スマホアプリなど、様々なスタイルで私たちの日常生活に今も当たり前のように溶け込んでいる「占い」。人はなぜ占いに惹かれるのでしょうか。その心理とカウンセリングとの共通点とは?

占ってほしいのはどんなとき?

あなたは占いが好きですか?あまり好きではない、むしろ、嫌いだという方もいらっしゃいますよね。あるいは全く興味がないという方もいるでしょう。でも、好き・嫌いや、興味のある・なしに関わらず、日本人にとって「占い」はとても身近な存在です。

例えば、朝のワイドショーやスマートフォンのアプリなどの「今日の運勢」で、多くの人がつい自分の星座をチェックして、ラッキーカラーの小物を持って出かけたりするのではないでしょうか。もう少し興味がある人は、雑誌の星占いをチェックしたり、ネットの無料占いを利用しているかもしれません。

このような簡単な占いなら、当たる当たらないに関わらず、ちょっとした遊びやネタ、エンターテイメントとして楽しむ人も多いでしょう。でも、普段は全く興味がない人でも、「本格的に占ってみようかな」と思うときがあります。

それは、恋愛や進路、結婚、転職、引越しなど、人生の大きな節目で、どう進めばいいか悩んだときでしょう。未来が見えず不安でこのままで良いのか悩んでいる、こうすればいいというアドバイスが欲しい…そんな思いを抱えているとき、何か人知を超えた力に、自分の運命を委ねてみたくなるものです。そして、そんな時に、ふと、占いをしてみようと思うのです。それは決して心の弱さによるものではなく、ある意味、自然な心理と言えるのではないでしょうか。

占いで知る「本当の自分」

占いには様々な種類がありますが、占ってほしいことは大抵、決断に迷っているときで「この決断をしたら、自分の未来はどうなるのか」ですよね。この答えを得るためには、占星術なら自分の生まれた日時のホロスコープから、タロットなら無作為に選んだカードから、四柱推命なら生年月日から、「未来」を予見してもらいます。

それぞれの占いの方法は違いますが、実はどの占いにも共通していることがあります。それは、まず生年月日などから「自分が元々どのような性格(気質)を持って生まれてきたのかを知る」ということです。どの占いでも、自分が持っている特性を知り、その上で、過去に何があって現在に繋がり、このまま行くと未来はこうなっている…という順に占っていくのが基本です。

思考を整理できる占い

占いをすると、まずは「自分自身」に目がいきます。例えば、占い師に「寂しがり屋でしょう?」と言われて、「その通り」と思うこともあれば、「今まで気付かなかったけど、誰かと一緒にいるほうが安心するな」と感じることもあるでしょう。

そして、「あなたの性質では、こう考えて行動しがちなので、今このような問題となっている。このままでいくと、未来はこんな風になると予想される」と言われると、あたかも物語を読んでいるかのように、自分の問題を俯瞰的に見ることができるわけです。

このように、「自分自身」、あるいは「自分自身の問題」を俯瞰的に見るという視点は、問題を解決していく際にとても重要なポイントとなってきます。ですから、占いが当たるか・当たらないかは、さほど重要ではないかもしれません。占いの結果から、自分の特性を知ることで、自分の思考の傾向が整理されていくと、おのずと自分の進むべき方向が見えてきて、納得した上で決断しやすくなります。

占いのカウンセリング効果!?

これまで、占いをしたくなる心理や、その経過・効果についてお伝えしてきました。これらを見ていく中で、なんだかカウンセリングに似ていると感じた人もいるでしょう。

確かに、悩んでいるときに、「自分」を知り、他者からアドバイスをもらって、前に進めるようにしていくという点で、占いはカウンセリングにとても似ていると言えます。特に、簡単な占いではなく、占い師に直接占ってもらう場合、単に結果を得るのが目的ではなく、悩みごとに関する相談をしたいことも多いでしょう。

では、大きく違う点は、何でしょうか?それは、占いは相談者の「外」から答えを「与え」、カウンセリングは相談者の「中」から答えを「引き出す」という点。そして、カウンセリングは心理学的な理論がベースにあるという点です。

占いを自己対話ツールとして使ってみると、今までは見えなかった角度から自分を見ることで、新しい自分を知ることができるかもしれませんね。