生まれた順番による性格の傾向
心理学では、生まれた順番と性格傾向に関する研究が数多く行われてきました。1963年から2004年に行われた研究では、出生順位別にみた人格・行動の特徴・傾向が明らかにされています。
今回は、まず「第一子」「真ん中っ子」「末っ子」「一人っ子」に分けて、性格をみていきましょう。
一番上(第一子)の性格
・仕事が丁寧
・何かをする時に、人に迷惑になるか考える
・欲しいものでも我慢する
・自分の用を人に押し付ける
・面倒が嫌い
・控え目
真ん中っ子の性格
・面倒がらないで、仕事を一生懸命する
・気に入らないとすぐに黙り込む
・よく考えないうちに仕事を始めて、失敗することが多い
末っ子の性格
・お父さんやお母さんに甘える
・お調子者
・やきもちやき
・食事の好き嫌いが多い
・少しでも困ることがあると、人に頼ろうとする
一人っ子の性格
・お母さんによく怒られるようなことをする
・おしゃべり
・人を笑わせる
・よく考えてから行動する
・おっちょこちょい
・面倒が嫌い
・控え目
・強情
生まれた順番に影響を与えるもの
生まれた順番に影響を与えるものは、大きく次の二つに分けることが出来ます。
(1)保護者の「養育態度」
(2)他のきょうだいとの関係性
まず、(1)保護者の「養育態度」について見ていきましょう。子どもの出生順位によって、養育態度や、子どもに期待することは変化します。例えば親が長男・長女に対して、下のきょうだいの世話や、親の手伝いを期待したり、末っ子に「いつまでも手元にいてほしい」という期待をしたりすることがあり、その影響を受けます。
日本ではもともと、年功序列とか、家父長制といった文化が根強くありました。最近ではそういった傾向も随分見られなくなってきましたが、これらの考え方が根強く残っている家庭も少なくないかと思います。そうであれば長男に対する親の期待と、次男や三男に対する親の期待の度合いが異なってくるのは自然なことでしょう。
親の子育ての経験も影響します。第一子を育てる時は、親にとって、全ての育児が初体験です。そのため、育児に対して慎重に、時には神経質になります。しかし、第二子以降では、親は第一子の子育て経験を活かして、より子育てをしやすい条件のなかで子どもと関わることが出来る場合が多いでしょう。第一子の様々経験から、ちょっとくらい放任しても大丈夫だという気持ちが出てきて、それが養育態度に表れることもあります。
次ページでは二つ目の要因である、他のきょうだいとの関係性について見ていきましょう。
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