もう働きたくない…その心理の原因、もしかしたら「新型うつ」かも?

働きたくない 心理の背景に「新型うつ」

出社前日の休日。「あーあ、明日は会社だ、働きたくないな」なんて思っている方は多いのではないでしょうか。これはある意味当たり前の感情です。

でも、毎日毎日会社に行くのが億劫な心理状態が続いていて、最近遅刻や欠勤が多くなっているという方は、もしかしたら「うつ病」のサインが出ているのかも…。

今回は、「うつ病」や最近増えていると言われる「新型うつ病」について見ていきたいと思います。

あなたは大丈夫?うつ病チェックリスト

まずは、今のあなたの状態を調べてみましょう。

以下の項目に当てはまるものをチェックしてみてください。

  • 判断力がない
  • 集中力が低下している
  • 何事にも興味がわかない
  • 何をやるのも面倒
  • 食欲が低下している
  • 胸が締め付けられるような感じがする
  • やたらに喉が渇く
  • 朝気分が悪く、夕方になると少し調子がよくなる
  • 夜、なかなか寝付けない
  • 疲れやすく、体が重たい

当てはまるものはありましたか?2週間以上にわたって、複数の症状が続いている場合、「うつ病」の可能性があります。

また、うつ病になりやすい人の特徴は、

  • 仕事熱心
  • 責任感が強い
  • 几帳面

などが挙げられます。

新型うつ病って?

最近では、新しいタイプのうつ病である「新型うつ病(非定型うつ病)」になる方が増えてきています。別名「プチうつ」と呼ばれることもあるので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんね。

「新型うつ病」の症状は、「気分が沈む」「不安になる」「イライラする」「頭痛がする」「吐き気を催す」など従来のうつ病とよく似たものもありますが、顕著な違いも見られます。

詳しく、その違いについて見ていきましょう。

<うつ病>

・食欲がなくなる
・不眠になる
・一日中気分が落ち込んでいる

<新型うつ病>

・過食になる
・過眠になる
・好きなことをしている時は元気

このように正反対ともいえる症状が出ます。気分が落ち込んで、日常生活がままならないのが「うつ病」であるのに対して、自分にとって楽しいと思うことや望ましいことをしている時には気分がよくなるのが「新型うつ病」です。

例えば、自分の趣味に打ち込んだり、休日に遊びに行ったりはできるのに、嫌いな仕事に行く前には決まってうつ症状が現れるという場合は「新型うつ病」の可能性が高いのです。

「新型うつ病」になると、人から拒絶されることに対して敏感になったり、イライラすることが多くなり、対人恐怖の傾向が出てくる場合もあります。

また、「新型うつ病」は女性に多く見られ、特に20~30代女性に増えていると言われています。

新型うつ病になりやすい人の特徴は、

  • 他人の評価を気にする
  • 人の顔色をうかがう
  • 子供の時から人見知りだったり、人前であがりやすかったりする

などが挙げられます。

従来の「うつ病」と違い、好きなことをしている時は楽しく過ごせるため、周りからはただのワガママや気分屋のように誤解されることが多いようです。周囲も気づきにくく、本人だけが苦しい思いをしていることも少なくありません。ですので、一般的な「うつ病」以外にも、このようなタイプのうつ病もあることを把握しておくのは大切なことです。

職場などで、もし「怠けてるな」「嫌いな仕事はやらないな」などと思う人がいたら、もしかしたらその人は「新型うつ病」かもしれません。頭ごなしに叱るのではなく、話を聞いてみることも大切です。

また、うつ病の症状に心当たりのある方は、一人で悩まず早めに医師に相談するようにしましょう。

女性は特に「うつ」になりやすい

女性は、男性の約2倍ほど、うつ病になりやすいと言われています。なぜ、女性のほうがうつ病になりやすいのでしょうか?

女性は、結婚、出産や、仕事と家事・育児の両立など、一生の中で様々な体験をします。その中で、女性ゆえに生じるストレスがうつ病の発症率を高めていると言われています。

また、生理前や出産直後、更年期などに急激に減ると言われている女性ホルモンの「エストロゲン」。この「エストロゲン」の分泌が減ることも、うつ病を引き起こす原因だと考えられています。

「エストロゲン」は、「セロトニン」という脳内で働く神経伝達物質に深く関わっています。「セロトニン」には、感情や気分のコントロールをしたり、精神のバランスを保つ作用があります。「エストロゲン」が減ると、「セロトニン」も減少するので、気持ちが落ち込みやすくなり、うつ病になりやすくなるのです。

五月病にも注意して!

4月から新しい環境になった新入社員などが、5月の連休を境にやる気がなくなってしまう五月病。

引っ越しや春の気温変化なども重なることで、さらに心身のエネルギーを使ってしまう恐れがあります。

この時期は、自分からは変化を起こさないことが大切です。新しい習い事などにチャレンジしたい時は少し時期をずらすようにしてください。

五月病の対策には、「しっかりとした睡眠をとること」、「3食バランスのよい食事をとること」が有効です。

最後に

ストレスに弱かったり、もともと繊細な性格の場合、会社で少しイヤなことがあっただけで、「会社に行きたくない」「もう働きたくない」と思ってしまいがちです。

また、今回説明してきたうつ病でなくても、体調が悪い時には、誰しも働きたい気持ちにはなりませんよね。そんな時は、無理に働かなきゃ!と思わないようにしてください。働きたくないと思う自分の気持ちを否定するのでなく、受容することが大切です。

また、職場が劣悪な環境で、働きたくないという場合もあると思います。そんな時は、自分の心と体を一番に考えてください。「会社を辞める」「転職する」のも一つの解決策だと思います。

辛い時には、一人で抱え込まず、誰かに自分の気持ちを話してみるのも有効です。

くれぐれも無理はしないようにしてくださいね。

<参考・引用文献>

図解 すぐに使える!心理学 渋谷昌三 PHP研究所 2013

決定版 面白いほどよくわかる!心理学 渋谷昌三 西東社 2017

OZ PLUS(オズプラス) 2015年5月号  スターツ出版株式会社

うつ病、非定型うつ病 新型の「うつ」の特徴と違いとは?

http://www.allin1.co.jp/service/psychotherapy/d-and-ad/