ボランティアとは ~ボランティアの定義と心理

最近では、スーパーボランティアとして注目を浴びた尾畠春夫さんや、被災地域へのボランティア、2020年東京オリンピックのボランティア募集が話題になっていますよね。

あなたは何かしらのボランティア活動に参加した経験はおありでしょうか?

ボランティアとは

人はどういった理由でボランティア活動をしようと思うのでしょうか?今回は、その心理について、考えてみましょう。

ボランティアの定義

まず、ボランティアの定義について見ていきましょう。

ボランティア(Volunteer)の語源は、ラテン語のVolo(自分の意志をもって行動する)から派生した、Voluntarius(自発的に・喜んで) とされ、日本語では、「有志」「篤志家」「自発的に他人・社会に奉仕する人や活動」などとされています。

また、日本全国のボランティア、市民活動を推進している「全国ボランティア・市民活動振興センター」では、「自分の意志で行う」「自分のためでない」「さまざまなことが得られる」「すでにある仕組みや発想を超えられる」ものとしています。

参考全国ボランティア・市民活動振興センター

逆に考えると、これらの要素が満たされないと、ボランティア精神は沸きづらいと言えるかもしれません。

今回は中でも、心理面と関わりのある「自主性」と「さまざまなことが得られる」の、二つの要素に注目してみましょう。

モチベーションが沸くかどうかがカギ

語源から、ボランティアには「自主性」が最も大切な要素だと言えるでしょう。では、自主性はどういった時に生まれるのでしょうか。

例えば、あるボランティアの条件が、必要経費は全て自腹、活動場所も遠かったとします。元々、困っている人を助けたいという気持ちのある人は、場所や内容を問わず、駆けつけるでしょう。更に、もし、その場所が、家族や友人が住んでいる・旅行したことがある等、ゆかりのある場所だったり、近隣の県だったりしたらどうでしょう?きっと多くの方が、実際に参加できる環境かどうかは別としても、「自分にできることが何かあるなら、参加したい」…そう思われるのではないでしょうか。

このように、「参加したい」という内発的な動機づけ(モチベーション)があるかどうかが重要です。

ボランティアで得られるもの

ボランティアをすることで「さまざまなことが得られる」ということは、どういうことでしょうか。

「ボランティアは無償。利益を得てはいけない」…そう考える人は多いでしょう。確かに、「お給料」など、必要経費以外に活動に対する金銭的な報酬を得るとボランティアの枠組みから外れてしまうかもしれません。

しかし、人にとっての利益は、お金だけではありません。例えば、得難い経験、同志との出会いなどがあり、また、喜び 、充実感、達成感など、心理面に及ぼすポジティブな効果もあります。お金には替えられない「得るもの」があることも、ボランティアへの意欲に結びつくといえるでしょう。

原則は、「参加したい」という率直な気持ちが大前提ですが、もしも気の進まないボランティア活動に参加せざるを得ない状況では、「参加する理由」と「得られるもの」について少し考えてみると、肯定的に受け入れられるかもしれませんね。