引きこもりはなぜ起こる?~その心理や対応~

一日のほとんどを自室や自宅で過ごし、社会との関わりを避けている状態を引きこもりと言います。

ケガなどがあるわけでなく、身体は外出できる状態なのに、家に引きこもってしまうのはどうしてなのでしょうか?

今回は引きこもりになってしまう原因や、当事者の心理、引きこもりへの対応について探っていきます。

引きこもりはなぜ起こる?

引きこもりってどんな状態のことを言うの?

精神的な疾患はないのにも関わらず、家に引きこもってしまう状態を「社会的引きこもり」と言い、現在では、引きこもりと言うと、社会的引きこもりを指すことも多くなっています。
内閣府による調査によれば、15~39歳の引きこもりは、全国に推計約54万1000人いるとされています。また、引きこもりの長期化や、高年齢化も問題となっています。

参考内閣府『若者の生活に関する調査報告書』2016年

精神科医である斎藤環氏は、社会的引きこもりを「20代後半までに問題化し、6カ月以上、自宅に引きこもって社会参加をしない状態が持続しており、他の精神障害が第一の原因として考えにくいもの」と定義しています。

もちろん、人によって引きこもりの程度は様々です。家の中では自由に動き回って、家族と話したり家事を行ったりする人もいれば、一切自室から出ず、家族とも話さないという人もいます。また、メールや電話などで友達と話すことは出来るという人もいます。

引きこもりになる人の特徴

引きこもりになる人の特徴として以下のことが考えられています。

  • 完璧主義の傾向がある
  • プライドが高い
  • 理屈っぽく、執念深い
  • いじめられたことがあるなど、過去の何らかのトラウマがある
  • 人とコミュニケーションを取ることが苦手
  • 引きこもる以前は、真面目で、学校の成績も良かった

他にも、不登校が長引いて、その結果そのまま引きこもり生活に陥ってしまう、というケースも多くあるようです。

引きこもっている人の心理は?

引きこもりの6割前後には就労経験があると言われています。

その中には、働いている時にパワハラを受けたり、過度の残業を強いられた人も少なくはありません。その結果、働くことに対して強い恐怖感や不安感を持ってしまう場合もあります。

引きこもりの当事者は、自分が働いていないことに対して、負い目を感じていることがほとんどです。また社会と関わりたいのに、働くことができない自分を責めていることもあります。

このように働かないのではなく、働きたくても外に出られず苦しんでいる人も多いのです。

家族が引きこもっている場合の接し方は?

一般的に、引きこもり期間が長くなるにつれて、家族と会話しなくなったり、ゲームやパソコン、テレビに向かうことが多くなります。また、親が理解を示さないことで、大声で騒ぐ、壁を叩く、窓を割るなどの行為が見られることもあります。

そして、引きこもりの期間が長引けば長引くほど、自力での復帰はおろか、家族による問題解決も難しくなってしまいます。

そうならないためにも、早めに家族が支援していくことが大切です。社会的引きこもりは、一見無気力で、ただ怠けているだけのようにも見えますが、実際はそうではありません。

本人は、自尊心が傷ついた状態であり、強い劣等感を覚えていることも多いのです。

引きこもりの心理

ですので、「早く働きなさい」「外に出なさい」「何、怠けてるの」などの言葉は本人を追い詰めることになります。引きこもっていることを責めたり、叱ったりするのは逆効果です。よい雰囲気づくりを心がけてください。

例えば、「あいさつをこまめにする」「雑談を試みる」「一緒にテレビを観る」など家族のだんらんを少しずつ増やしていくと良いでしょう。頻繁に声をかけることで、引きこもっている本人も自分は見捨てられていないのだと安心することが出来ます。

その結果、引きこもっている本人の悩みを聞くことが出来たり、問題に対して本人と共に考えることが出来るようになる場合もあります。

理解を深めるために…

全国で引きこもりについての、家族会や講演会なども行われています。また、青少年のストレスについて学べる資格などもあります。

まずは、家族の人がそれらに参加したり、勉強したりして、知識を深めるのも良いでしょう。また、当事者同士が、同じ立場で悩みや不安を話し合いながら、解決策を見出していくピアカウンセリングという方法もあります。

精神保健福祉センターなどの公的機関では、引きこもりの方のためのカウンセリングを行っているところもあります。そういったところに一度問い合わせてみるのも良いのではないかと思います。

家族でサポートする際は、決して焦らないことが大切です。いきなり社会と関わりを持たせようとするのではなく、部屋から出られないのであれば、出られるようにする、家の中にしかいられないのなら、近くのコンビニまで行けるようにするなど、小さな目標を設定して、それをクリアしていくようにしましょう。

長い目で見守っていくようにしてくださいね。