自己暗示をかければ、理想の自分になれる!?

「自己暗示」という言葉を聞いたことはあるけれど、実際はどういうものなのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか。今回は、自己暗示の意味や効果について詳しくひもいていきます

そもそも、暗示って何?

まず、「暗示」の意味についてご紹介します。暗示という言葉は、一般的にもよく使われていますが、心理学では、ある行動や言語を受けて、これらを無批判に受け入れてしまう心的過程(心のプロセス)のことを言います。

例えば、論理的根拠がはっきりしていなくても、毎日同じことを聞かされるうちに、その内容を正しいこととして受け止めてしまう、といった具合です。この暗示にかかりやすいことを「被暗示性が高い」と言います。

この被暗示性が極度に高くなると、「集団ヒステリー」が起こりやすくなります。集団ヒステリーは、ある集団に属している人が、ヒステリー症状を起こすことで、それが周囲の同じ集団の人たちにも感染することを指します。例えば、ライブ会場でファンの一人が過剰に興奮することで、他のファンにも興奮が伝わり、集団で失神状態を起こしたりします。

ライブ会場には要注意!?

また、女性は男性に比べて被暗示性が高いとも言われています。女性に占い好きの人が多いのも、もしかしたらこのことが関係しているかもしれません。

被暗示性が高い人の特徴って?
1.自己評価が低い

自分に自信がないなど、自己評価の低い人は、そのことを引け目に感じている場合が多くあります。そのため、自分を高く評価してくれるような暗示にかかりやすくなります。

2.他者への「同調性」が高い

同調性とは、他人の行動に自分の行動を合わせようとすること。自分に自信がない人ほど、他人の行動が正しく思えてしまい、同調する傾向があります。1にも通じますね。

自己暗示って?効果はあるの?

「自己暗示」という言葉を辞書で引いてみると、『自分で思い込むことによって、それが事実であるかのような意識が生じること』とあります。では、自己暗示をかけることで、どのような効果が得られるのでしょうか。

例えば、それまで何となく垢抜けなかった女性に彼氏が出来てから、すごくかわいくなったということってありませんか?これは、恋人から「今日もかわいいね、きれいだね」などとほめられることによって、自分は魅力的なのだという意識が芽生え、さらに自分に磨きをかけることで、本当にかわいくなったと考えられます。

また、イタリアの女優であるソフィア・ローレンは、元々はそんなに美人ではなかったそうです。それが、毎日鏡に向かって「私は美しい」と話しかけていた結果、本当に美人になったと言われています。

このように、例え根拠のない思い込みでも、本人がそれを信じて行動(努力)することで、その通りの結果になる現象を「自己成就的予言」と言います。アメリカの社会学者マートンによって提唱され、実際に効果も実証されています。

自己成就的予言は、他者からの評価はもちろんのこと、自分自身で言い聞かせても同様の効果が得られますので、自己評価を高められるように普段から心がけると良いかもしれませんね。

その他にも、自己成就的予言の一種として捉えられている現象があるのでご紹介します。

アメリカの心理学者ローゼンタールは、こんな実験をしました。サンフランシスコの小学校に協力してもらい、「将来、知的能力が高まる子どもを予測できるテスト」と称して、実際は普通の知能テストを受けさせました。

先生が期待すれば子どももその期待に応える?

そして、その中から、テストの結果とは無関係に、クラスの20%にあたる子どもをランダムに選び、担当の先生に「この子たちは学力が伸びます」と伝えました。

すると、約1年後の能力テストでは、学力が伸びると伝えた子どもたちの得点が、そうでない子どもたちより上がったとの結果が得られました。このように、相手(教師)の期待によって本人(子ども)もその期待に応えるようになる(成績が向上する)という心理的効果のことをピグマリオン効果と言います。

この実験は、後に手続きに不備があったことが指摘され、現在では、結論の全てをうのみにすることはできないと判断されています。しかし、この実験がきっかけになって研究が進み、結果としてピグマリオン効果が広く知られるようになりました。

ちなみに、ピグマリオンというのは、ギリシャ神話に出てくる王の名前です。ピグマリオンは彫刻の名人で、自作の女性像があまりに良くできたため、その彫刻に恋をしてしまいます。その一途さに心打たれた神が、彫刻に生命を吹き込み、ピグマリオンは見事その女性と結ばれました。このピグマリオンの名前をとって、ピグマリオン効果という言葉が生まれました。

一方、ある人物に対して周囲の期待が低かった場合、その人物のパフォーマンスも低下してしまう心理効果のことをゴーレム効果と言います。ゴーレムは、泥人形を指します。

実際、子どもの学校の成績が悪かった時に、「バカじゃないの!次回は頑張らないとダメよ」と言うのと、「ちゃんと勉強すればできるんだから、次回は頑張ってね」と言うのとでは、子どものやる気はきっと変わってくるはずですよね。

もちろん、子どもだけではなく私たち大人も同じです。仕事で失敗した時に、会社の上司に、「お前はいつもダメだな」と言われるのと、「今回は、調子が悪かったんだよ。次は期待しているよ」と言われるのとでは、モチベーションがだいぶ変わってきますよね。

思い込みはおそろしい!?

思い込みは、プラスに働けば良いですが、マイナスに働くと人間関係まで悪化する恐れがあります。例えば、あなたと普段から仲の良い友人が、共通の友人について「あの子はね~」と良くないうわさを持ちかけてきたとします。

例え、そのうわさが嘘であっても、あなたがその仲の良い友達の言葉を信じてしまったら、後々、共通の友人との関係に支障が出てくるかもしれません。

そして、実際に仲違いしてしまったら、「やっぱり(仲の良い友人の)言っていることは正しかったんだ」と、思い込んでしまうきっかけにもなり得ます。最初はちょっとした思い込みでも、それが進むにつれて、無意識のうちに言動にもそれが表れてくるものです。他人の意見は鵜呑みにしない方が良いかもしれませんね。

思い込みを活用しよう!

現在、サプリやダイエット補助食品など、巷には手軽に「こうなりたい」という思いが実現できるようなものが溢れていますよね。それらを飲んで、実際に「これは効果があった!」と思うものに出会ったことがある人もいるのではないでしょうか。

でも、それはもしかしたらサプリやダイエット補助作品の効果ではなく、「思い込み」によるものかもしれません。このように、思い込みから受ける良い影響や効果のことを「プラシーボ効果」と言います。プラシーボは、偽薬という意味です。

実際に、ノンアルコールビールを「ビール」と言って、人に飲ませたら酔っ払ってしまった、などの例もあります。

では、なぜ「思い込み」だけで効果が表れるのでしょうか。

例えば、薬の場合、「これを飲めばきっと症状が改善するだろう」という「期待」によって脳内で働くドーパミンという物質の放出量が増えるからと考えられています。ドーパミンは、「喜びを得る」、「意欲を感じる」といった機能を担う神経伝達物質のひとつです。

ドーパミンが増えると、様々なプラスの連鎖が発動されます。例えばどこか痛い場合には痛みを和らげ、気持ちが落ちこんでいる場合には元気が出るといった具合です。

人の気持ちとプラシーボ効果は深く関わりあっていることがわかりますね。

成功している自分をイメージしてポジティブに生きよう!

自己暗示は、私たちの日常にも取り入れることができます。例えば、会社のプレゼンや、就職試験の面接などの前は緊張しがちですよね。そんな時は、成功している自分をイメージしてみてください。そして、「絶対うまくいく」と自分に言い聞かせてみてください。「ダメだ」「失敗する」と思い込んでしまうと、うまくいくものもいかなくなってしまいます。

この「思い込み」が強くなると、自分の気持ちや言動に大きな影響を与えます。ですので、物事は前向きに考えるようにしましょう。前向きに物事を考えることで、状況が好転することもあります。

「思い込みの力」を上手に取り入れながら、皆さんも毎日ポジティブに日々を送れたら良いですね♪