産業カウンセラー

産業カウンセラー
日本産業カウンセラー協会が主催する民間資格です。産業カウンセリングとは、応用心理学の一分野である産業心理学に基づき、職場での心理的な悩みや人間関係の問題、従業員のメンタルヘルス等をトータルでケアする仕事で、一般的には企業の中で行われるカウンセリングやサポートを担当します。

産業カウンセラーとは

主に産業分野で、カウンセリングを行うのが産業カウンセラーです。企業にとって、メンタル不調のある社員のケアをすることは大きなメリットにつながります。社員のメンタル不調が緩和されることで、事故やミス、欠勤などによる労働損失が減り、生産性の向上につながるからです。

「メンタルヘルス対策」以外にも、産業カウンセラー取得者は「キャリア開発」「職場における人間関係開発」という領域において、心理学的なアプローチを用いてクライエントの問題を解決する役割が期待されています。

 

産業カウンセラーのプログラムでは、本格的に「傾聴」を学ぶことができます。 それにより、人話を聞き、管理する能力の向上が見込めます。 産業カウンセラーの勉強を通して、メンタル不調のある部下や同僚また自分自身の不調に ついても気づきがあり、仕事がしやすくなったという方も多いです。

産業カウンセラーの仕事の内容

産業カウンセラーに特別に定められている仕事はありませんが、EAP(従業員支援プログラム)サービスを例にとってみると、企業内(もしくはクライアント企業の従業員)のカウンセリングや、電話及びメール相談、メンタルヘルスのトータルサポートが主な仕事内容として挙げられます。

産業保健分野以外では、障害者の方の就労支援や生活困窮者の支援などを行うこともあります。具体的には、相談者のインテーク(事情を聞くこと)や心理アセスメントを実施します。

産業カウンセラーになるには

産業カウンセラー協会の養成講座受講後、試験を受験し、その後正式に資格登録をします。養成講座は、学歴を問わず、満20歳以上であれば、どなたでも受講可能です。

その他、大学院で所定の専攻を20単位以上専攻した方は、養成講座受講は免除となります。

また、養成講座修了者は、面接実習で一定の成績に達した場合に実技試験の免除を受けることができます。

試験は、通例では毎年前年11月から12月頭が出願期間となっており、翌1月に学科試験と実技試験が行われます。

なお、2020年からは、年2回の試験実施が予定されています。

合格率の推移

2022年6-7月
受験者数 合格者数 合格率
学科試験 1,044 679 65.0%
実技試験 329 201 61.1%
総合合格率 58.4%
より以前の合格率の推移
2017年
受験者数 合格者数 合格率
学科試験 3690 2689 72.90%
実技試験 1497 1037 69.30%
総合合格率 65.7%
2016年
受験者数 合格者数 合格率
学科試験 3690 2689 72.90%
実技試験 1497 1037 69.30%
総合合格率 65.7%
2015年
受験者数 合格者数 合格率
学科試験 3690 2689 72.90%
実技試験 1497 1037 69.30%
総合合格率 65.7%
また、メンタル不調者が所属する組織に積極的に関わりたいという方は、産業カウンセラーの資格を取得後、より上位のシニア産業カウンセラーの取得やEAPカウンセリング等を学ぶことにより活躍の場が広がります。

産業カウンセラー養成講座

産業カウンセラー養成講座は、2019年度から、e-Learning制の講座となりました。

上位資格にシニア産業カウンセラーがあります

e-Learning講座内容


・受講期間…6カ月、または10カ月

上期6か月コース…2019 年5月 1 日~10 月 31 日〔申込み受付:2019年2月4日~〕
下期6か月コース…2019 年11 月1 日~ 4 月30 日〔申込み受付:2019年8月予定〕
10か月コース…2020 年1月10日~10月31日〔申込み受付:2019年10月予定〕

※下期6か月コース、10カ月コースは、地域によって開催しない場合もあります。

・受講料は291,600円となっています。


なお、104時間(1516日間)の面接実習に参加する必要があります。講座を修了し、試験を受け、合格した後、資格登録会員になることで産業カウンセラーの資格を取得することが可能になります。

費用

資格取得に関わる費用は、受験のパターン(実技免除等)により異なりますが、ゼロから取得する場合はおおよそ下記の費用が必要になります。

<養成講座受講の場合>

初期費用:e-Learning受講料¥291,600

+試験受験料(学科試験:¥10,800、実技試験:¥21,600

+資格登録料¥7,000円
維持費用:年間費¥10,000 更新費¥3,000

 

カリキュラム

産業カウンセラーのカリキュラム
    1. 産業カウンセラーの役割と活動

・産業カウンセリングの歴史と発展
・産業カウンセラーの役割と活動
・産業カウンセラーの倫理

    1. カウンセリングの基礎理論

・傾聴の意義と技法
・カウンセリングの基本
・来談者中心療法と人間性心理学

    1. カウンセリングの諸理論
    2. 人間理解の基礎理論

・こころのメカニズム
・パーソナリティの理論
・心理アセスメント

    1. 職場のメンタルヘルス

・職場のメンタルヘルス・ケア
・精神医学の基本

    1. 産業社会と職場

・産業・組織の心理学
・産業社会の動向と人事労務管理
・労働関係の法規

  1. コミュニケーションの理論と活用
  2. キャリア・カウンセリングの基本
  3. 事例検討

出典:JAICO

就職先

人材系企業やEAPプロバイダ-の他、NPO法人(ひきこもり支援、被後見人サポートetc)、ハローワークや労働相談所などの公的機関、メンタルクリニックも就職先に挙げられます。

資格所有者の満足度

転職を検討していなくても、既存の職場で管理職や人事担当者への転換が図りやすくなるチャンスがあり、満足度が高いようです。2015年のアンケートでは、「仕事で使える資格」として、産業カウンセラーは1位を獲得しています。

参考日本経済新聞社、日経HR共同アンケート 仕事で使える資格は何か~資格ランキング 2015
https://style.nikkei.com/article/DGXZZO9880992024032016000000?channel=DF180320167087 
(※掲載終了につき、リンク先はアーカイブファイル)

産業カウンセラーのキャリアと将来性

本格的に「傾聴」を学ぶことで、人の話を聞き・管理する能力の向上が見込めます。また、キャリアコンサルタントと併せて取得することで、仕事の幅が広がることが期待されます。

傾聴力のあるキャリアコンサルタントは、学生のメンタルサポートや職業相談に来たクライアントの問題(生活状況なども踏まえた)把握能力が高く、人材系企業などでも即戦力となるでしょう。

インタビュー

人間の心理への興味から、カウンセラーに転身