EAPメンタルヘルスカウンセラー

2013年に設立されたNPO法人、EAPメンタルヘルスカウンセリング協会(以降EMCA)が認定する民間資格で、資格試験の名称はEAPメンタルヘルスカウンセラー(eMC®)資格認定試験です。EAP(※)(従業員支援プログラム)の名前の通り、産業保健分野における専門知識と実践力をもつ専門家として、幅広いフィールドで活躍することが期待されています。
EAPとは?
Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)の略。企業のメンタルヘルス対策の先進国であるアメリカでは、フォーチュントップ500のうちの9割以上の企業がEAPを導入しており、従業員の事故やミスの削減や、職場環境の改善により生産性が大きく向上しているという結果がでています

EAPメンタルヘルスカウンセラーになるには
(資格認定証の交付を受けるには)

まず認定カリキュラムを受講、修了し、EAPメンタルヘルスカウンセラー資格試験に合格することが必要になります。合格率は6割前後で推移しており、難易度はやや高めです。《年度別詳細》

その後、EMCAへの入会をもって資格取得となりますが、指定の専門資格要件があり、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

(1)検定試験合格等
  1. メンタルヘルス・マネジメント®検定Ⅱ種またはⅠ種合格
  2. 第一種または第二種衛生管理者(国家資格)
  3. キャリアコンサルタント(国家資格)
(2)検定資格合格
  1. 医師
  2. 臨床心理士
  3. 保健師
  4. 看護師
  5. 精神保健福祉士
  6. 2級または1級キャリアコンサルティング技能士(国家検定)
  7. またはEMCARがこれらと同等以上と認める資格保持者
(3)検定資格合格+実務経験2年以上
  1. 産業カウンセラー
  2. シニア産業カウンセラー
  3. 心理相談員(公的資格)
  4. 旧標準レベルキャリア・コンサルタント(CDA資格など)
  5. 認定心理士
  6. またはEMCARがこれらと同等以上と認める資格保持者
(4)実務経験5年以上
  1. 企業等における産業保健(メンタルヘルス分野)の実務経験

出典EMCA指定専門資格要件

他の資格や実務経験がない場合は、敷居が高いように見えますが、ゼロから取得する方への取得ルートとして「メンタルヘルス・マネジメント®検定Ⅱ種またはⅠ種合格」が用意されています。

費用

初期費用(税込) 合計:433,000円
認定講座受講料:378,000円+教材費等実費:20,000円+受験料:35,000円
維持費用(税込) 更新(5年)のための諸費用が必要

カリキュラム

EAPメンタルヘルスカウンセラー資格には、EAPのプロフェッショナルを育成するという明確な目的があり、それに特化したカリキュラムが組まれています。

また大学・大学院の心理学専攻レベルの内容を初心者でも習得しやすいように段階的に構成されており、短期間で即戦力として活躍できることを目指しています。

ブリーフセラピー、認知行動療法、交流分析、システムズ・アプローチなどの問題解決に効果的とされる心理療法や、心理アセスメントはもちろん、EAPカウンセラーの業務として必要な、会社や組織に対するコンサルティングについても学ぶことができるのが特徴です。

合格率の推移《試験別》

回数 受験者数 合格者数 合格率 資格認定2次試験日
12回 111人 79人 71.1% 2018年12月23日、2019年2月28日、3月2~3日、10日
11回 63人 42人 66.6% 2018年6月24日、9月1、2~3日、9日
10回 154人 115人 74.6% 2018年2月14日、17~18日、3月4日
9回 116人 83人 71.5% 2018年8月31日、9月2~3日、10日
8回 111人 60人 54.0% 2017年2月16日、18~19日、26日
7回 110人 80人 72.7% 2016年8月25日、27~28日
6回 102人 62人 60.8% 2016年2月18日、20~21日
5回 79人 56人 70.8% 2015年8月27日、29日、30日
4回 70人 47人 67.1% 2015年2月21~22日

現役カウンセラーインタビュー

人間の心理への興味から、カウンセラーに転身
呉服の営業職からスクールカウンセラーを経て、働く人のためのEAPカウンセラーに。現在のカウンセリングのお仕事のスケジュールや、カウンセラーに向いている人、目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました

EAPカウンセラーの飯代さんに、「カウンセラーに向いている人は?」「カウンセラーを目指す人へのアドバイス」などをお聞きしています