職場でいじめられたら

職場でいじめられたら読むべき9の対処法

職場でいじめられた最初に知るべきこと

ーいじめ・パワハラ・ハラスメントの違いと当事者の視点ー
「いじめ」と「パワハラ」は同じようで線引きが曖昧ですが、法的な位置づけや会社の責任範囲が異なるため、最初に区別しておくことが極めて重要です。

いじめは主に人間関係の優位を利用して精神的苦痛を与える行為全般を指し、パワハラは職務上の優位性を背景に同じ行為が行われた場合を意味します。

セクハラやマタハラなどテーマ別ハラスメントも含め、被害者の感じ方だけでなく「業務上必要か否か」「継続性があるか」「社会通念上許容される範囲か」の三要素で判断されることを覚えておくと、後の証拠化や相談時に説明がスムーズになります。

加害者の言い分がどうであれ、あなたが苦痛を感じたらまず記録し、第三者の目で確認してもらう――それが最短で状況を動かす第一歩です。

用語 法律上の扱い 主な相談窓口 会社の義務
いじめ 民法709条の不法行為 社内窓口・労働局 安全配慮義務
パワハラ 労働施策総合推進法32条の2 労基署・弁護士 防止措置の義務化
セクハラ 男女雇用機会均等法11条 労働局・人事 就業環境配慮義務

陰湿ないじめ(無視・暴言・暴力・社内いじめ)の具体例と該当判断

ーこれって職場いじめ?ー
いじめ被害の相談で最も多いのは「無視される」「雑務しか振られない」「皆が集まるLINEから自分だけ外される」という陰湿型です。

一見すると指導や軽い冗談に見えるため、被害者自身も“気のせい”と自己否定に陥りがちですが、以下のチェックに三つ以上当てはまるなら客観的にいじめと判断できます。

①同じ行為が週1回以上、3週間以上続く
②加害者が複数人
③業務に支障が出る
④心身の不調が出始めた
⑤会社へ相談しても改善しない。

該当すれば録音・メール保存など証拠化を直ちに開始し、社内外の相談先へエスカレーションする準備を進めましょう。

  • 業務連絡を聞こえる位置でわざとしない
  • 昼休みや飲み会へ自分だけ誘われない
  • 仕事を取り上げられ評価を下げられる
  • 暴言・嘲笑・身体的接触で威圧する

\状況別・具体的な行動/

職場でいじめられたら読むべき10の対処法

対処の基本は「証拠→相談→選択」の3ステップを、心身の限界より早く実行することです。

下記9つ(+休職・転職の複合策を含め10)の具体策を状況別に整理しましたので、最も着手しやすいものから始めましょう。

職場でいじめられたら読むべき9の対処法

  • 記録と証拠化
  • 加害者と距離を取る
  • 上司へ正式に相談
  • 社内窓口へエスカレーション
  • 外部窓口へ相談
  • 法的権利を整理
  • 弁護士へ相談
  • 休職・労災
  • 退職・転職

対処法1:いじめの行為を記録し証拠化(日時・メール・録音・第三者メモ)して対応の土台を作る

最優先は“事実を残す”ことです。

スマホの録音アプリ、業務メールのコピー、チャットログのスクショ、そして信頼できる同僚にメモを依頼するなど多層的に残しましょう。

ポイントは①日時・場所・発言をセットで記録②改ざん不可能な形式(PDF・クラウド)に保存③一週間単位でフォルダー管理する、の3つです。

証拠があれば上司や外部機関に相談した際、認定・救済措置が早まり、慰謝料請求や労災申請の可否にも直結します。

対処法2:相手(加害者)と1対1にならない—業務導線を変え距離を確保しトラブルを回避

次に心掛けたいのは物理的・心理的距離を置くことです。

席替えを提案する、在宅勤務や時差出勤を上司に申請する、打合せは必ず複数人で同席してもらうなど、リスクを具体的に回避します。

加害者と密室やチャット1対1になる場面を減らすだけで、いじめ行為は半減するという調査結果もあり、自分を守る即効性の高い方法です。

同時に「距離を置く努力をした」という事実も後で評価され、退職・損害賠償請求時の交渉材料になります。

対処法3:上司・管理職へ相談(回答をもらう)し、社内の対応・改善を正式に求める

直属上司に相談する際は、証拠と要望をセットで提出し「いつまでに」「誰が」「何をするか」を文書で回答してもらうことが大切です。

口頭のみでは“言った言わない”で終わるため、メールや議事録に残し、可能なら人事やコンプライアンス部門をCCに入れると抑止力が働きます。

上司が加害者の場合は一段上の部長や社内ホットラインへスキップし、報復を避ける導線を確保しましょう。

対処法4:社内の相談窓口・相談先(人事/コンプラ/労働組合)へエスカレーションする

社内の正式窓口は会社に法的義務があるため、相談が入った時点で事実確認と再発防止策を講じる責任が生じます。

相談書はテンプレートを使い、①発生日時②場所③加害者④被害内容⑤要望(配置転換・謝罪・業務調整など)を明記しましょう。

労働組合がある場合は、団体交渉で会社に改善計画を提出させることも可能です。

対処法5:外部の相談窓口(労働相談・労働基準監督署・自治体・総合窓口)へ相談し解決ルートを増やす

社内で改善しない場合は外部機関へ。

総合労働相談コーナーは全国に約300カ所あり、無料で法律家OBが対応します。

労働基準監督署は賃金不払い・安全配慮違反が絡むと“是正勧告”を出せる強い権限を持っています。

匿名相談も可能なので、会社に知られず選択肢を増やすことができます。

窓口 相談方法 主なメリット
労働局 総合労働相談 電話・対面 無料/全国対応/専門家
労基署 対面 是正勧告で会社へ直接指導
自治体 労働相談 電話・オンライン 夜間・土日対応あり

対処法6:パワハラ・不当解雇・残業代など労働問題を切り分け、請求できる権利を整理する

いじめと同時に残業代未払い、評価降格、不当解雇が絡むケースは多く、請求権の時効や担当機関が異なります。

未払い賃金は3年、不法行為の慰謝料は3年(最長20年)など時効があるため、早めにエクセルで『権利一覧表』を作成して管理することをおすすめします。

弁護士への相談コストも減り、請求漏れを防げます。

対処法7:弁護士に相談して損害賠償・慰謝料請求を検討(加害者/会社の責任、手続きと時間)

証拠が揃い、精神的損害や収入減が発生している場合は弁護士相談が有力です。

内容証明を送付するだけで解決金が提示されるケースもあり、交渉から訴訟までワンストップで依頼できます。

着手金は0〜33万円、成功報酬が回収額の16%前後が相場ですが、法テラスの民事法律扶助を使えば実質無料で分割払いも可能です。

対処法8:休む選択をする—有給休暇・診断書・労災認定の可能性で心身の安全を守る

心身の限界を感じたら“逃げるは負け”ではありません。

有給休暇は理由不要で取得でき、医師の診断書があれば傷病手当金(最長18カ月・給与の約67%)を受給しながら休養できます。

いじめが原因でうつ病を発症した場合、労災認定されれば治療費全額と休業補償給付(給料の80%相当)が支給されます。

まず心と体を回復させることが、長期的にキャリアと人生を守る最短距離です。

対処法9:退職を視野に入れる—退職代行の活用、会社都合退職・失業保険まで含めた手続き

改善の見込みがなく命の危険を感じる場合は退職を急ぎましょう。

退職代行を使えば最短即日で連絡を代行してくれ、未払い残業代や有休消化も同時交渉するプランもあります。

いじめを理由に医師が就業不能と判断すれば会社都合退職となり、失業保険を最短7日+待機期間なしで受給可能です。

生活基盤を確保したうえで次の職場を選ぶことが再発防止にもつながります。

職場いじめ(特に女に多い悩み)と特徴:孤立させる手口と社内で起きるパターン

女性同士のいじめは“表向きは笑顔、裏で無視・悪口”といったコミュニケーション型が目立ち、加害者自身もいじめの自覚が薄いのが特徴です。

男性の暴言型と比較して証拠が残りにくいため、LINEやSNSのスクショ、会話メモなど“見えない証拠”を積み上げる姿勢が重要です。

また育児・介護といったライフイベントで勤務条件が変わるタイミングがいじめ発生率のピークである点も覚えておきましょう。

女同士で起きやすい?悪口・仲間外れ・評価下げなど陰湿ないじめの特徴と背景

女性の職場いじめは“序列維持”と“同調圧力”が根底にあり、職位より人間関係の序列が優先される傾向があります。

裏での悪口や評価下げは直属上司が気づきにくく、被害が長期化しやすいのが実態です。

背景には正社員と非正規の待遇差や、時短勤務者への嫉妬など構造的な要因も絡むため、個人で解決しようと抱え込まないことが鉄則です。

「無視」「情報を渡さない」「ミス誘発」など業務妨害のケース—当事者が取るべき行動

業務妨害型いじめは成果評価に直結し、キャリア破壊につながるため早期対応が必要です。

共有サーバーへのアクセス権を上司経由で再付与してもらい、情報を遮断されない仕組みを作る。

タスク管理ツールで依頼内容と期限を可視化し“言った言わない”を防止する。

これらを実行するだけでミス誘発の余地が減り、いじめ行為の抑止力として働きます。

周囲(同僚・家族)の巻き込み方:仲間を作り、第三者の視点で事実を固める

被害者が孤立すると加害者の思うつぼです。

信頼できる同僚1人でも味方につけることで、証言・客観性・精神的支えの三つを同時に得られます。

家族へは事実と感情を分けて説明し、病院受診や休職など大きな決断の際に同席してもらうとスムーズです。

“第三者の視点”が増えるほど会社・加害者は言い逃れしにくくなります。

いじめの多い職場ランキングの見方:本当の危険サインと職場選びの基準

ネット上の『いじめの多い会社ランキング』は口コミが主観的で信頼度が低い場合があります。

それより離職率・ハラスメント研修の有無・相談窓口の稼働状況など、客観的な数字と制度を基準に判断する方が遥かに再現性が高いと言えます。

企業の有価証券報告書や決算説明資料には平均勤続年数・離職率が記載されているため、入社前に必ずチェックしましょう。

ランキングより重要な危険信号:離職率・管理職の放置・相談窓口の形骸化・社内文化

離職率が業界平均の2倍以上、管理職の評価制度にマネジメント項目がない、相談窓口が総務部員の片手間運営――これらは典型的な危険信号です。

面接時に“今回の採用理由は離職補充か”を聞くだけでも、職場いじめの温床になっているか推測できます。

入社前/配属後に確認するチェックリスト:業務量、残業代、評価制度、面談の有無

  • 平均残業時間と残業代支給率
  • 四半期ごとの目標設定と面談実施率
  • ハラスメント研修・相談窓口の利用実績
  • 有給取得率と取得理由の自由度

転職での再発防止:環境を見極める質問例と、職場いじめ対策の実務

転職面接で『前職の退職理由』を聞かれた際は、いじめの事実より“働き方や価値観の不一致”を前面に出し、『御社ではチームワークを大事にする文化と伺っていますが、具体的な取り組み例はありますか?』と逆質問しましょう。

回答が曖昧ならハラスメント対策が形骸化している可能性が高いと判断できます。

職場いじめ 乗り越え方(知恵袋的な答えで終わらせない)—再発しないための具体的な改善策

いじめを乗り越えるには“問題の構造を理解し、取れる手段を可視化し、行動を選択する”というプロセス思考が欠かせません。

感情だけで動くと逆効果になる場面も多いため、以下の原則を順守して次のステップへ進みましょう。

再発防止の3原則:証拠→相談先→選択(改善/休職/退職/転職)を順に進める

1.証拠を集めることで“自分の正当性”を数値化・文章化する。

2.社内外の相談先をすべて洗い出し、期限を区切って試す。

3.改善・休職・退職・転職の4択から心身とキャリアに最適なものを選ぶ。

この三段階を抜け漏れなく実行すれば、再発リスクは大幅に下がります。

自己責任にしない視点:問題の構造(会社・上司・管理職の対応)を切り分ける

“自分が弱いからいじめられる”という思考はNGです。

会社の安全配慮義務違反、管理職の職務怠慢、加害者個人の不法行為というように、責任の所在を切り分けることで初めて組織を動かせます。

個人が抱え込む必要はなく、むしろ抱え込むほど加害者側の思うつぼになることを忘れないでください。

まとめ:あとで後悔しないために—我慢せず、行動を早める人が守れるもの

いじめは“時が解決する”ことはありません。

今日集めた証拠が明日のあなたを守り、今送った相談メールが一週間後の改善策につながります。

心身が壊れてしまったらキャリアも生活も守れません。

我慢より行動——その決断が未来の自分と同じ悩みを抱える誰かを救うことにつながります。