キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタント
キャリアコンサルティングの専門家です。働く人の「職業の選択」「職業生活設計又は職業能力の開発及び向上」に関する相談に応じて、助言及び指導を行います。平成28年4月より国家資格(名称独占資格)となり、守秘義務・信用失墜行為の禁止義務が課されています。

キャリアコンサルタントとは

キャリアコンサルタント試験
「キャリアコンサルタント」とは、キャリアコンサルティングを行う専門家のことを言います。

キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うことです。

キャリアコンサルティングを通じてクライアントが自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めるとともに、自分自身に合った仕事を主体的に選択できるようにサポートすることが期待されます。

キャリアコンサルタントの仕事の内容

仕事内容は、相談者が望むキャリアを形成する手助けをすることです。よって、キャリア形成のための過程を示すことも仕事の一つと言えます。相談者に必要なスキルアップの方法を提示したり、場合によっては研修を受けるように促すこともあります。

また、相談者本人も気が付いていない隠れた才能や適性を、就職や転職に生かすことも仕事の一つです。本人の希望に沿う仕事を探すだけではなく、適性が合う仕事を提案することもあります。

つまり、キャリアコンサルタントとは仕事やキャリア形成の相談に乗るプロフェッショナルと言えるでしょう。

キャリアコンサルタントになるには

キャリアコンサルタントになるには(名乗るには)、試験の合格が必要です。

資格内容は専門的で難易度も高いため、受験資格を得られる厚生労働大臣認定の講習の受講・修了が最短(140時間)と言えるでしょう。実際、受験者の約9割弱が講習修了者となっています。(第9回キャリアコンサルタント試験)

認定講習を開催しているスクールは全国に数多くありますが、講師や就業支援体制などに違いがあるため、よく比較検討してスクールを選ぶとよいでしょう。

キャリアコンサルタントの資格

受験資格

  1. 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(講習カリキュラムは別表(※1)に記載)
  2. 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験(※2)を有する者
  3. 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
  4. 上記の項目と同等以上の能力を有する者

(※1)厚生労働大臣が認定する講習(検索サイト)及び別表(カリキュラム)

(※2)「経験」に該当するかどうかは、以下のいずれも適合するかどうかという考え方を基準に、個別に判断することとされています。

・キャリアコンサルティングによる支援対象者が、「労働者」であること。なお、ここでいう労働者とは、現在就業している方のみならず、現在仕事を探している求職者(ハローワーク等の職業紹介機関に求職の申込みを行っている方、学卒就職希望者等)を含みます。

・相談の内容・目的が職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上に関するものであること。
・キャリアコンサルティングが一対一で行われるもの、又はこれに準ずるもの(少人数(概ね6名以内)グループワークの運営等)であること(情報提供に止まるもの、授業・訓練の運営そのもの等は含みません)。

取得期間とスクール費用

学習できるペース(夜間のみ等)によって選べるスクールやコースによりますが、多くの講習は3ヶ月から6ヶ月で修了できるようです。

参考東京都区内のキャリアコンサルタント講座一覧|Brushup学び

スクール費用の相場は30万円〜40万円程度となっています。また、受講料以外に教材費(テキスト費)などが別途かかる場合もあるので、講座を申し込む際には確認が必要です。

詳しい学費については、各スクールの資料・パンフレットを必ず確認し、不明な点があれば直接問い合わせてみましょう。

資格所有者の満足度

平成28年4月より国家資格となったことでクライエントや企業からの信頼性も増していますので、就職や転職の際には、自身のキャリアを証明することができる資格と言えるでしょう。

企業からの求人も増えており、今後活躍の場は増えていくと予想されます。

資格所有者の活躍の場

(1) 人材紹介や人材派遣、アウトプレースメントなどの人材ビジネスを手がける企業。
(2) ハローワークをはじめとする公共の求職支援機関。
(3) 大学・専門学校・高校などの就職相談窓口。
(4) 一般企業の人事部やキャリア相談室など。

人材派遣業や人材紹介業など、人材や育成に関連する事業を行う会社では、知識やスキルが生かせる場面が多いでしょう。ハローワークなどの公共の求職支援機関では、相談員として求職者の対応をしたり、求人を持ってくる企業とのやり取りをすることもあります。

教育機関では、学生たちに向け、ガイダンスを行ったり、エントリーシートの書き方や面接の仕方など、実践的なスキルの指導をしたりします。

一般企業でのキャリアコンサルタントの業務も幅広く、面談業務の他にも、キャリア研修や職務能力研修を実施したり、メンタルヘルス支援やハラスメント防止、マネジャー支援など多岐に渡ります。

また、フリーランスで活動している人も増えています。フリーランスの場合はキャリアコンサルティングの仕事の他にも、研修講師や面接官、コラム等のライター業、講演会に登壇するなど、活躍の場は様々です。

キャリアコンサルタントのキャリアと将来性

「働き方改革」により様々な働き方が選べるようになった現在、本当に自分に合った仕事は何なのかと悩み、専門家に相談したいと考える人は増えています。

また企業側も、採用時のミスマッチをできるだけなくしたり、従業員のキャリア相談などを積極的に取り入れている企業が増え、キャリアコンサルタントのニーズは高まっていると考えられます。

国はキャリアコンサルタントを平成36年度末までに10万人養成することを計画しており、今後、活躍の場はますます拡がっていくことが予想されます。