匂い 心理

匂いフェチは「運命の人」を嗅ぎ分けられるのか?

匂い 心理

恋人の首や脇からほんのり香る「におい」、お好きですか?性別に関係なく、愛する人の匂いが好きという人は少なくありません。
「匂いフェチ」とまでいかなくても、誰でも相手の「におい」を感じて安心したり、親密な気持ちになった経験はあるのではないでしょうか?

匂いフェチの恋愛心理

「におい」に惹かれるなんて、まるで動物みたいだと思うかもしれませんが、嗅覚は人間の「本能」を司る脳で感じています。愛する人の「におい」が好きということは、まさに動物的本能で惹かれているのだと言えるでしょう。

それでは、恋愛における「におい」の役割とはどういうものなのでしょうか?

「におい」はどのようにして感じるのか

あなたは「嗅覚」について、意識したことはありますか?

アロマテラピーや香水、あるいはトイレや下駄箱の脱臭…日常で匂いを意識する場面はいろいろありますが、実はそれ以上に、無意識的に感じている匂いは意外と多いものです。

風邪などで鼻が詰まってしまうと、食べ物の味が感じられなくなったりしますよね。そういうときに嗅覚の大切さを実感するものですが、実は、食べるものの鮮度やガス漏れなどの危険を察知するためにも、嗅覚は重要な感覚なのです。

嗅覚から得られる情報量は約3.5%

人間が1日に五感から得られる情報量のうち、視覚は約83%、聴覚は約11%、嗅覚は約3.5%、触覚は約1.5%、味覚は約1%と言われています。

こうして見ると嗅覚はさほど重要でないように思うかもしれませんが、脳の大脳辺縁系へ直接情報が伝わるのは、五感の中で唯一、嗅覚だけなのです。

大脳辺縁系とは?
大脳辺縁系とは、大脳の内側に位置し、人間の本能や自律神経、記憶を司っています。感情や欲求などの情動に関与し、情動脳とも呼ばれています。進化の過程で、この辺縁系の上にかぶさるように大脳新皮質が発達しました。この新皮質とは、大まかに言えば視覚や聴覚などの知覚や運動だけでなく、未来の推測や思考、言語などの「理性」を司る脳と言われています。そして五感の中で嗅覚のみ、刺激が新皮質を経由せず、ダイレクトに辺縁系へ伝わります。

つまり「におい」でわかる情報は、思考より先に本能に直結しているのだと言えるでしょう。

「におい」と遺伝子の関係

スイスにあるベルン大学のクラウス・ウィトキンス博士が、次のような、においと遺伝子に関する実験を行いました。

まず、44人の男子学生に、2日間ずっと同じTシャツを着用させました。次に、そのTシャツのにおいを50人の女子学生に嗅いでもらい、「大好き」から「大嫌い」までを10段階で評価させました。その結果、女子学生は、自分と「MHC遺伝子」の値が遠い男子のTシャツのにおいほど「好き」と判断し、それが近い男子のにおいほど「嫌い」と判断しました。

では、なぜ私たちは「MHC遺伝子」の値が遠い異性に惹かれるのでしょう?

「MHC遺伝子」と恋愛の秘密

「MHC遺伝子(ヒトの場合はHLA遺伝子)」は、病気の免疫をつかさどる遺伝子のこと。実は、MHC遺伝子の値が遠い、異なる遺伝子同士が掛け合わされるほど、その子どもはたくさんの免疫を持ち、病気になりにくくなるのです。

甘い恋も子孫繁栄のため!?

動物もそうですが、ヒトには、できるだけ多くの子孫を残していこうという本能があります。より多くの子孫を残していくためには、様々な病気に対抗できる強いカラダを持っていることが大切です。

そのため、自分や、自分の近親者と異なる「MHC遺伝子」を持った異性を配偶者に選ぶことで、様々な病気に対抗できる強い生命力を備えた子孫を残そうとするのです。

クラウス博士の実験から、そのMHC遺伝子を見分ける方法として、「におい」がヒントになるということがわかりました。

「お父さんくさい!」も本能から
例えば、思春期の娘に「お父さんの服クサいから、一緒に洗濯したくない」と言われ、お父さんがショックを受けることがありますが、父親の体臭を不快だと感じるのも、家族のMHC型が近いからではないかと言われています。

「におい」は重要!

「彼女のにおい、なんだか落ち着く」「彼は、なんだかいいにおいがする」。このようなことは、自分と相性の良い遺伝子を保有する異性を「におい」で判別する能力を、人間が生まれながらに有しているためだと言えそうです。

もちろん、においだけで相手を選んでいるわけではありませんが、大切な選択肢の一つと言えるでしょう。逆に言えば、「この人のにおいはダメ」という場合は、その相手とは生まれてくる子どもの免疫を強くするという点では、相性が合っていないということなのかもしれません。

運命の人と出会うために…

「におい」は、恋愛において重要な判断材料になるのですね。でも、最近では清潔にこだわりすぎるあまり、体を洗いすぎたり、1日に数回シャンプーしたりして、自分の「におい」を消してしまう人も多いようです。清潔にすることは大切ですが、においの消し過ぎには要注意。自分の「におい」がなくなったら、運命の人とすれ違っても、気が付いてもらえない?!かもしれません。

そして、「におい」に惹かれる異性が現れたら、その人が運命の人かもしれません。その日のために、今日から、嗅覚を意識して生活してみませんか?