心理カウンセラー

心理カウンセラーは、人々が抱える悩みやストレスを解決するための手助けとして、カウンセリングを行うプロフェッショナルです。複数の民間資格があり、それぞれ職域やキャリアが異なる場合がほとんどです。基本的には相談者と直接対面して、彼らの置かれている環境や心理状態を見極めなくてはならないため、幅広い知識や経験が必要とされます。

心理カウンセラーとは

心理カウンセリングという言葉には明確な定義はありません。心理療法(カウンセリングを含む)を用いて、相談者の問題解決や回復、メンタルヘルスの保持増進を図るのが心理カウンセリングであり、その技術や倫理観を持ち合わせていると期待されるのが、心理カウンセラーであると言えるでしょう。また、心理カウンセラーは、一方的に相談者に指示を出すわけではなく、あくまで支援者という立ち位置です。「相談者自身に答えを見つけさせる」ことが心理カウンセラーの役割と言えるでしょう。

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仕事の内容と活躍の場

様々なツールや技術を用いて相談者(クライエント)に対する理解を深め、適切なアドバイスを提供したり、心の支えとなります。場合によっては家族や関係者、他の専門家とのパイプの役割を担い、問題解決を図るのが心理カウンセラーの仕事です。

活躍の場は様々で、精神保健福祉センターや児童相談所といった公的機関のほか、心療内科クリニックなど医療分野、企業内メンタルヘルスのような産業保健分野が主なフィールドです。行政サービス(公的機関)では、主に臨床心理士や、国家資格であるや精神保健福祉士、社会福祉士を取得している方が働いています。

心理カウンセラーになるには

心理カウンセラーになるには(名乗るには)、必ずしも心理系の学士や修士である必要はありません。

しかし、悩める人に心理的な支援を行うには、専門的な知識や技術、倫理観が不可欠です。また、公的機関への就職を目指したり、開業カウンセラーのようなプロフェッショナルの心理カウンセラーになるには、心理カウンセリングをしっかり勉強した事を第三者に証明してもらう為にも、資格が有効になってきます。

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心理カウンセラーの資格

代表的な民間資格

心理カウンセラーの代表的な民間資格
資格名称 おおよその取得期間
メンタル心理カウンセラー 約2ヶ月
メンタルケアカウンセラー® 約3ヶ月
メンタルケア心理士® 約4ヶ月
産業心理カウンセラー 約4ヶ月

通信で取得できる資格

心理学やカウンセリングのスキルを勉強できる通信講座は数多くあります。

国家資格や協会認定資格の取得は、大学や大学院で所定のカリキュラムを終えることが必要で、時間も費用も多くかかります。

ですので、今の仕事をする上でのスキルアップとして心理学を学びたいという場合は、民間の通信講座がお勧めです。

スクーリングがない資格は、DVDなどの映像教材で要点を学ぶことが出来ますので、初心者でもわかりやすく費用も手頃な価格(4万円前後等)で基礎的な技術の習得が目指せます。

本格的に心理カウンセラーを目指したくなった際には、上位資格で独立や就業サポートにも対応するものもありますので、よく比較検討した上で取得するとよいでしょう。

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就職先

カウンセラーとして人気の就職先は、やはり雇用も安定する公的機関です。なかでも学校(スクールカウンセラー)は知名度もあり、一般的に時給も高いため倍率も高めですが、地方では人員不足も見られるようです。

その他の公的機関では、ソーシャルワーカー系の国家資格(精神保健福祉士社会福祉士)のメイン領域となるので、民間資格のみでは、就職は難しいと言えます。

カウンセリングスキルは幅広い応用ができるため、民間資格でも、対人スキルが必要な仕事や、任用資格が不要な企業内のメンタルヘルス関連業務、その他には心理職ではありませんがキャリアカウンセラーとして仕事に就ける可能性があります。しかし、就職に有利というよりは、現職のスキルアップや普段の生活に活かしたり、副業(非常勤カウンセラーやメールカウンセリング作成)のための資格として認識しておくと良いでしょう。

カリキュラム

心理カウンセラーに関する民間資格は数多くありますが、どの資格もカウンセラーの基本姿勢である「傾聴」についてはもちろん、基礎的な心理療法について学ぶ事ができます。

問題解決に強いとされる「認知行動療法」に重点が置かれていたり、コーチングや自己分析などの実践的なカリキュラムが組みこまれている資格もあります。

資格取得のきっかけ

心理カウンセラー資格を取得する人の半数以上は、専業カウンセラーを目指す訳ではなく、現職に心理スキルを活かしたり、身近な人のケアができるようになりたいという動機で取得しているようです。

現役の保育士介護士といった福祉領域で働いている方の他に、対人コミュニケーションを通して結果を求められる営業職や、一部のマネジメント層にも人気があります。

キャリアと将来性

カウンセラーとして、高度に専門化した分野で働きたい場合や、社会的な信頼が必要な職種では、臨床心理士や新しく生まれる国家資格である公認心理師資格、公的機関での相談員としてのキャリアが求めらる場合がほとんどです。

しかし、カウンセラーという職業は、年齢を重ねる事が決してマイナスにはならない点、保育や教育の現場と同様に社会的需要が高まってきている点などを考えると、民間資格でスキルを磨きながら、必要な時に大学で学び直してキャリアを築くという方法もあるでしょう。

現役カウンセラーインタビュー

人間の心理への興味から、カウンセラーに転身
呉服の営業職からスクールカウンセラーを経て、働く人のためのEAPカウンセラーに。現在のカウンセリングのお仕事のスケジュールや、カウンセラーに向いている人、目指す人へのアドバイスなどをお聞きしました